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  • 執筆者の写真Ryuji Kanemoto

専任技術者の要件緩和(R5年7月)|これを機に新規許可取得、業種追加が進む!?

更新日:3月29日


専任技術者の要件緩和

技術者制度の見直しが行われ、令和5年5月12日「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等の公布があり、令和5年7月1日に「専任技術者の要件の緩和」が施行されました。


令和6年4月1日には「技術検定の受検資格の見直し」が施行される予定です。

詳しくはこちら>国交省HP


今回施行された「専任技術者の要件の緩和」は、果たして建設業許可の申請にどれほどの影響があるのでしょうか。


専任技術者の要件を満たせず歯痒い思いをしている建設業者にとって朗報であることは間違いなさそうです。





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▼目次



建設業許可における専任技術者の要件


要件の緩和について解説する前に、まずはそもそもの専任技術者の要件を確認しておきましょう。


専任技術者になるためには以下の3つのいずれかが必要になります。


①国家資格

②実務経験

③大臣による特別認定


①国家資格

○○施工管理技士(技術検定)、技能士(技能検定)などの国家資格を持っていれば、該当する業種の専任技術者になることができます。


②実務経験

許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験があれば、専任技術者になることができます。


実務経験の年数は、高校の指定学科を卒業していれば5年に、大学の指定学科を卒業していれば3年に短縮することができます。


どの指定学科がどの業種をカバーできるのか、下の表をご確認ください。

指定学科

③大臣による特別認定

外国での経験や学歴、資格等を国土交通大臣に認めてもらう方法です。



今回の要件緩和は、②実務経験に関するものです。



どのように要件が緩和されたのか


今回の改正では、必要な実務経験の年数を5年または3年に短縮することができる「指定学科卒業」に焦点が当てられています。


○○施工管理技士(技術検定)の「1次検定合格」を「指定学科卒業」と同等とみなすことになりました。


1級○○施工管理技士の1次検定合格後、3年以上の実務経験(大学の指定学科卒業と同等)で、2級○○施工管理技士の1次検定合格後、5年以上の実務経験(高校の指定学科卒業と同等)で専任技術者の要件を満たすことができるということです。

※合格発表日以降を実務経験としてカウント


対象となる資格と指定学科、業種は以下のとおりです。


✅土木施工管理技士・造園施工管理技士

▶土木工学(左・と・石・屋・タ・筋・し・塗・防・絶・井・水・清・解)


✅建築施工管理技士

▶建築学(大・左・と・石・屋・タ・筋・板・ガ・塗・防・内・機・絶・具・水・消・清・解)


✅電気工事施工管理技士

▶電気工事(機・消)


✅管工事施工管理技士

▶機械工事(筋・し・板・機・絶・井・具・水・消・清)

指定学科に対応する業種

※指定7業種(土・建・電・管・鋼・舗・園)と電気通信工事業は対象外



今回の改正による要件緩和の核心


○○施工管理技士(技術検定)の「1次検定合格」を「指定学科卒業」とみなすという今回の改正は、実務経験年数が短縮される可能性が広がるという点で大きな要件緩和と言えます。


中でも一番のポイントは、既に○○施工管理技士資格で登録されている専任技術者も当然「指定学科卒業」とみなされることです。


3年または5年の実務経験で専任技術者になり得る業種が増えることになるのです。


例えば、機械器具設置工事業は、今まで10年以上の実務経験(建築学・電気工学・機械工学に関する学科卒業で5年または3年に短縮)または技術士資格(科学技術系資格の最高峰)でしか専任技術者になる方法はありませんでした。


今回の改正で建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士の1次検定合格者及び資格保有者に5年または3年の機械器具設置工事の実務経験があれば、専任技術者として認められることになりました。


就業環境によっては、以前から1級建築施工管理技士の資格を持っている人が、機械器具設置工事の実務経験を3年以上積んでいるケースもあるでしょう。


その場合は、すぐに機械器具設置工事業の許可を取得できることになります。


以下、改正後の専任技術者になり得る資格一覧でご確認ください。


専任技術者の資格一覧(改正後)


申請書類作成上の注意


要件緩和に伴い、申請書類の作成時は注意が必要です。


1.1次検定合格(○○施工管理技士補)の有資格コードが増えているので、「専任技術者一覧表(様式第一号別紙四)」と「専任技術者証明書(様式第八号)」の作成時は有資格コードの間違いがないよう注意しましょう。


2.実務経験は合格発表以降をカウントするので、「実務経験証明書(様式第九号)」作成時には経験年数の記載間違いがないよう注意しましょう。


 

最後に


原則10年以上必要とされる実務経験の要件が、大きく緩和されました。

今後、許可業者・業種の変動や技術検定の受検者数の変動に注視していきたいところです。


将来の体制のことを考えて、今のうちから社内の従業員の方には2級の1次検定だけでも受検をさせておく方が良いかもしれません。


また、従業員の方自身もキャリアを築いていくために積極的に受検しておく方が良いでしょう。



この記事の執筆者 金本 龍二(かねもと りゅうじ)|行政書士

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。 ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、行政書士事務所を開設。

建設業専門の事務所として 近畿圏内の知事許可、大臣許可、経営事項審査、 建設キャリアアップシステムをサポート。

 

当事務所では、大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理、その他経営事項審査や入札参加資格申請までサポート全般を承っております。建設キャリアアップシステムについても代行申請を全国対応で承っております。


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