専任技術者の要件緩和とは?|1次検定合格で実務経験が3年・5年に短縮!
- Ryuji Hemmi

- 2025年11月30日
- 読了時間: 6分

専任技術者になりたいのに「実務経験10年」がネックになっていた――
そんな建設業者にとって大きな追い風となる制度改正が行われました。
施工管理技士(1級・2級)などの 「1次検定合格」が指定学科卒業と同等 とみなされ、実務経験の必要年数が 10年 から5年 or 3年 に短縮されるケースが大幅に拡大しました。
特に、これまで専任技術者の確保が難しかった機械器具設置工事業で許可取得や業種追加の可能性が大きく広がります。
この記事では、
●要件緩和の正確な内容
●どの資格でどの業種の実務経験が短縮できるのか
●申請実務上の注意点
を行政書士の視点からわかりやすく整理します。
💡この記事のポイント ● 1次検定合格が「指定学科卒業」と同等扱いに ● 実務経験10年 → 5年・3年へ短縮できるケースが拡大 ● 既に施工管理技士資格を持つ専任技術者も“指定学科扱い”に ● 機械器具設置のような従来難しかった業種の許可が現実的に ● 実務経験は「合格発表日以降」しかカウントできない ● 今後の許可戦略として“1次検定だけでも受験”が重要に |

▼目次
5.最後に
専任技術者の要件(従来の基本ルール)
要件緩和の内容に入る前に、専任技術者として認められるための基本要件を整理しておきます。
専任技術者は、建設業許可を受けるために営業所ごとに必ず配置しなければならない重要な役割です。
専任技術者となるためには次の3つのいずれかを満たす必要があります。
①国家資格
施工管理技士・技能士など、業種に対応した国家資格を保有している場合、原則その業種の専任技術者になれます。
②実務経験
許可を受けようとする工事業種について 原則10年以上 の実務経験を証明できれば専任技術者として認められます。
ただし、指定学科を卒業している場合は実務経験が短縮されます。
・高校の指定学科卒 → 5年以上
・大学の指定学科卒 → 3年以上

③大臣による特別認定
外国での経験や学歴等を国土交通大臣が個別に認める仕組みで、適用例は多くありません。
👉今回の要件緩和は、この②実務経験の部分に直接関係します。
要件緩和によって“何が変わったのか”
改正のポイントは1つですが、その影響範囲は非常に大きいです。
■1次検定合格で指定学科卒業と同等扱いになる
(従来)
・指定学科卒業
必要な実務経験を10年から 5年 or 3年 に短縮
(改正後)
・施工管理技士1次検定合格(=技士補)
指定学科卒業と同等扱い→ 実務経験の短縮が可能に!
【対象となる資格と対応する業種】
● 土木・造園施工管理技士
→土木工学に対応
(左官・とび・石・屋根・タイル・鋼構造物・しゅんせつ・塗装・防水・熱絶縁・さく井・水道・清掃・解体)
● 建築施工管理技士
→建築学に対応
(大工・左官・とび・石・屋根・タイル・鋼構造物・板金・ガラス・塗装・防水・内装・機械器具・熱絶縁・建具・水道・消防・清掃・解体)
● 電気工事施工管理技士
→電気工学に対応
(機械器具・消防)
● 管工事施工管理技士
→機械工学に対応
(鉄筋・しゅんせつ・板金・機械器具・熱絶縁・さく井・建具・水道・消防・清掃)

※指定7業種(土・建・電・管・鋼・舗・園)と電気通信工事業は対象外
⚠実務経験の起算は「合格発表日以降」
これも重要なポイントで、申請書類作成時に間違いの多い部分です。
要件緩和の実務的インパクト(ここが最大の価値)
今回の改正は “読み方” 次第で企業の許可戦略が一変するほど影響があります。
特に次の点が重要です。
■ 従来ハードルが高かった業種の許可取得が現実的に
特に大きな影響が出るのは、機械器具設置工事業。
・専任技術者になれる資格が少なく難しい
・実務経験の証明が難しい
という理由で取得ハードルが高い業種でした。
今回の改正で、建築・電気・管工事施工管理技士の技士補(1次合格)でも対象に。
→ 3年 or 5年の実務経験で専任技術者になれるケースが増えます。
■すでに施工管理技士資格を持つ人は“即戦力”化
施工管理技士を持っているが、今まで対象とならなかった業種の専任技術者になれる可能性が高まります。
1級建築施工管理技士を持ち、機械器具設置の実務経験が3年以上ある人
→ 機械器具設置の専任技術者になれる
これは現実の申請現場でもインパクト大。
■ 1次検定だけでも受けさせる価値がある
従来は「施工管理技士は実務経験が足りず受験すらできない」という問題がありましたが、今は受検要件が大幅に緩和され、受けやすくなっています。
そして、 1次検定合格 → “指定学科扱い”となるため、会社として従業員に1次検定だけでも受験させるメリットが非常に大きいと言えます。
【専任技術者になりうる資格一覧】

申請書類作成で特に間違いやすいポイント
要件緩和に伴い、申請書類の作成時は注意が必要です。
1.1次検定合格(施工管理技士補)の有資格コードが増えているので、「専任技術者一覧表(様式第一号別紙四)」と「専任技術者証明書(様式第八号)」の作成時は有資格コードの間違いがないよう注意しましょう。
2.実務経験は合格発表以降をカウントするので、「実務経験証明書(様式第九号)」作成時には経験年数の記載間違いがないよう注意しましょう。
最後に
原則10年以上必要だった実務経験が、今回の改正により大幅に短縮され、専任技術者の確保はこれまでにないほど容易になりました。
特に
・業種追加をしたい企業
・キャリアアップを考える従業員
にとっては大きなチャンスです。
会社としては「まずは1次検定だけでも受験させる」という方針がこれまで以上に重要になります。
制度改正を上手に活かし、今後の許可戦略・人材戦略に役立てていきましょう。
![]() | この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ) アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。 知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP |
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