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執筆者の写真Ryuji Kanemoto

専任技術者に必要な資格・経験が全部わかる!【建設業許可取りたい方必見】

更新日:2024年10月3日


建設業許可の専任技術者

「建設業許可を取得するには何か資格が必要ですか?」よくこのようなご質問をお受けします。


建設業許可を取得するには、経営能力、技術力、財産的基礎、適格性などが求められます。資格の要否は、この中の「技術力(=専任技術者)」に関わる話です。


しかし、必ずしも資格が必要というわけではありません。


一部業種を除きますが、資格がなくても一定の経験があれば専任技術者の要件を満たし、許可を取得することが可能です。


この記事では、専任技術者に必要な資格や経験、その他求められることを詳しく解説しています。


ぜひご参考にしていただければと思います。


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▼目次



許可要件の中での専任技術者の位置づけ


建設業許可の要件はすべてが重要で、満たしていないものが1つでもあれば許可を取得することができません。


中でも専任技術者は、請け負うことができる業種や許可の区分(一般・特定)に直結する要件なので極めて重要です。


経営業務の管理責任者同様にヒトに関する要件なので、退職等で欠いてしまうリスクが常にあるので注意が必要です。


◎専任技術者は技術力を表す重要な許可要件 

行政の許認可はヒト・モノ・カネの要件が求められることが多いですが、特に建設業許可はヒトに関する経験や資格がより厳格に求められます。許可取得が難しいと言われる所以です。

●技術力があること

許可を受けようとする業種の建設工事の施工に関する一定の資格または実務経験を有する技術者で、専任の者(専任技術者)を営業所ごとに置かなければなりません。

専任技術者とは営業所において見積作成や契約締結、注文者との施工に関する技術的なやりとりなどを行う役割を担い、建設業を営む上での要と言えるでしょう。


専任技術者は許可業種ごとに配置が必要です。1人で複数業種の専任技術者になることも可能です。

※1つの業種を2人以上の専任技術者が担当することはできません。

●経営能力があること

「経営業務の管理を適正に行う能力」の裏付けとして、建設業に関して一定の経営経験がある常勤役員等(経営管理責任者)を置かなければなりません。また、事業所として適切に社会保険に加入している必要があります。


●財産的基礎・金銭的信用があること

請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していることが求められます。


●欠格要件に該当しないこと、誠実性があること

法人の役員等すべてと個人その本人、支配人が、欠格要件に該当していると絶対に許可を取得することはできません。

申請書に虚偽記載があったり、重要なことを記載しなかったり、禁固以上の刑を受けて5年経過していない等、定められた欠格要件に1つでも該当してはなりません。

また、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがある場合も許可されません。


●営業所を有していること

建設業の営業を行う事務所を主たる営業所として設置しなければなりません。

常時使用する権限や固定電話、事務機器等設備が必要となります。



専任技術者に必要な資格とは


専任技術者になるためには、許可を取得したい業種に応じた資格(国家資格、公的資格等)が必要です。


難易度の高いものや資格取得後の実務経験まで求められるもの等、資格の種類はさまざまです。


現場配置のことも考えると専任技術者になり得る技術者はたくさんいるに越したことはありません。

資格取得は推奨していくべきでしょう。


◎専任技術者になり得る国家資格等の一覧

1番スタンダードで良く知られているのが、○○施工管理技士の技術検定です。

記載されている資格を持っていると、印のついた業種の専任技術者になることができます。


専任技術者の資格R5改正分の画像
専任技術者の資格一覧の技術士等
建設業許可代行/専技の資格 技能検定
建設業許可 取得/専任技術者 基幹技能者

〈国土交通省HPから引用〉



専任技術者に必要な実務経験とは


資格がなくても、実務経験で専任技術者になれる可能性があります。とはいえ、当然ながら資格での申請よりも難易度は格段に上がります。


実務経験の具体的内容や注意点についてしっかりと押さえておきましょう。


◎求められる実務経験の年数・内容

必要な実務経験年数

原則、求められる実務経験(許可を取得したい業種に関するもの)は10年以上です。


なお、同じ10年で複数業種の実務経験は認められません。2業種の実務経験を認めてもらうには20年以上が必要ということになります。(実務経験で専任技術者になれるのは2業種まで)


※「電気工事業」と「消防施設工事業」においては、無資格での職務は実務経験として認められない可能性があります。


◎特定建設業の場合は特別な実務経験が求められる

特定建設業の場合は実務経験が10年以上あっても、それだけでは専任技術者になることはできません。

指導監督的実務経験が2年以上なければ認められません。


もちろん、一般建設業の専任技術者になり得る資格を持ち、2年以上の指導監督的実務経験がある場合も特定建設業の専任技術者になることができます。

指導監督的実務経験…元請として請け負った4,500万円以上の工事での指導監督的な実務経験(現場監督、工事主任など)

【注意点】

指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)の場合は指導監督的実務経験があっても認められず、該当する国家資格等(1級レベル)がなければ、特定建設業の専任技術者になることはできません。


◎実務経験の証明は難しい

実務経験で専任技術者になるには、実務経験内容と経験期間在籍していたことを客観的に証明しなければなりません。資格での申請よりも難易度が上がる理由です。


以下の確認資料が必要になります。


✅実務経験の確認資料

・工事の「請負契約書」、「注文書・請書」、「請求書・入金履歴確認書類」のいずれか

※契約書等に記載されている工事内容から許可を受けようとする業種であることが判別できなければなりません。

※大阪府の場合、工事と工事の間が12ヵ月以上空いていなければ、連続した経験期間として認められます。各自治体によって判断が異なります。


▶許可業者での経験の場合

・「決算変更届の表紙」+「工事経歴書」(経験年数分)


※許可業者で専任技術者として就任していた場合は「建設業許可申請書の表紙」と「実務経験証明書(様式第9号)」があれば、証明できます。


✅経験期間の在籍確認資料

・「被保険者記録照会回答票」、「雇用保険被保険者証」、「雇用保険被保険者離職票」のいずれか、個人事業での専従者・従業員の場合は「所得税確定申告書第一表(給与支払内訳も)」


※証明者と申請者が同一の場合(個人事業主が事業主本人の経験を証明する場合等)は原則在籍確認資料は不要となります。


専任技術者は営業所ごとに専任で常勤していることが求められる


専任技術者はその名前のとおり専任でなければなりません。


専任とは、所属する営業所に常勤し、専らその職務に従事することをいいます。

会社と恒常的な雇用関係にあり、原則、勤務時間中はその営業所に勤務していることが求められます。


営業所と住居が常識的に通勤困難なほど離れていたり、他の営業所等に専任しなければならない立場であったりする場合等は専任とは認められません。


申請時には、資格や実務経験を証明するのと同時に、営業所に専任・常勤していることを証明しなければなりません。


常勤性については、以下のリンク記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。



 

最後に


建設業を営む上で専任技術者は、経営業務の管理責任者と並び重要な存在なので、許可申請時に厳しいチェックが行われます。


常勤性は、許可取得後も更新、経営事項審査の場面において都度チェックされることになります。


また、資格がなくて実務経験で証明しなければならない場合、実務経験はあるものの、それを証明できずに許可取得を断念するということがよくあります。


実務経験の証明書類を揃えることができるか不安な場合は、ぜひ事前に専門家に相談することをご検討ください。



この記事の執筆者  金本 龍二(かねもと りゅうじ)|行政書士

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、行政書士事務所を開設。

建設業専門の事務所として 近畿圏内の知事許可、大臣許可、経営事項審査、建設キャリアアップシステムをサポート。

 

当事務所では建設業許可の申請代理を承っております。


大阪市鶴見区・城東区・都島区・旭区を中心に大阪府全域、奈良県、兵庫県、和歌山県は標準対応エリアです。

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