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  • 執筆者の写真Ryuji Kanemoto

建設業許可の専任技術者について徹底解説!|要件は資格or実務経験

更新日:1月10日


建設業許可/代行/専任技術者の要件

「建設業許可を取得するには何か資格が必要と聞いたんですけど・・・」よくこのようなご質問をいただきます。

資格があると許可取得のための要件クリアが比較的容易になるという事実はありますが、必ず資格が必要というわけではありません。一部業種を除いて、資格がなくても許可を取得することは十分に可能です。


建設業許可を取得するには経営能力、技術力、財産的基礎、適格性が求められます。

資格の要否は、この中の「技術力(=専任技術者)」に関わる話です。


この記事を読むと、建設業許可の技術力要件とされている専任技術者になるには何が必要かがわかります。

ご参考にしていただければ幸いです。


▼目次

1.許可要件の中で技術力(=専任技術者)は超重要

(1)許可要件

2.どんな資格があれば専任技術者になり得るのか

(1)専任技術者になり得る国家資格等の一覧

3.資格がなくても実務経験で専任技術者になることができる

(1)特定建設業においては通常の実務経験のみでは専任技術者になれない

4.実務経験は客観的な資料で証明しなければならない

5.現在の会社で常勤していることが求められる

6.最後に



許可要件の中で技術力(=専任技術者)は超重要


建設業許可の要件はどれか1つでも欠けると許可を取得することができなくなるので、すべてが重要と言えます。

その中でも、請け負える業種や許可の区分(一般・特定)にまで関わる要件である専任技術者は、特に重要な要件と言えるでしょう。


◎許可要件

ヒト・モノ・カネを中心に要件が定められている許認可は多いですが、建設業は特に要件を満たすのが難しいと言われます。ヒトの部分で経験や資格を求められるからです。


●技術力があること

営業所ごとに建設工事の施工に関する一定の資格又は実務経験を有する技術者で専任の者(専任技術者)を置かなければならない。

専任技術者は営業所で見積作成や契約締結、注文者との技術的なやりとりなどを行う役割を担っていて、建設業を営む上での要である。


●経営能力があること

「経営業務の管理を適正に行う能力」の裏付けとして、建設業に関して一定の経営経験がある常勤役員等(経営管理責任者)を置かなければならない。


●財産的基礎・金銭的信用があること

請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること。


●誠実性があること

役員等が請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。


※他に社会保険に加入していることや欠格要件に該当していないこと、営業所を設けていることも求められます。



どんな資格があれば専任技術者になり得るのか


実務経験を証明するよりも資格を持っていることを証明する方が簡単であることは言うまでもありません。

許可を取りたい業種の専任技術者になり得る資格を持っていれば、合格証書等を提示するだけで技術力があることを証明できます。

以下の一覧表で業種ごとに必要な資格をご確認いただければと思います。


◎専任技術者になり得る国家資格等の一覧

業種ごとに専任技術者になり得る資格が決まっています。

特定建設業の専任技術者は基本的に1級レベルの国家資格が必要です。

以下の一覧表でご確認ください。

建設業許可代行/専技の資格一覧
建設業許可代行/専技の資格 技能検定
建設業許可 取得/専任技術者 基幹技能者

〈国土交通省HPから引用〉



資格がなくても実務経験で専任技術者になることができる


資格がなくても、許可を取りたい業種の実務経験が10年以上あれば、技術力があるものとして認めてもらうことができます。

業種に応じた指定学科を大学で修了した人は実務経験を3年に、高校で修了した人は実務経験を5年に短縮できます。

どこまでが実務経験として認められるかというと、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験が対象となります。ただ単に建設工事の雑務のみ行っていた場合は経験として認められません。

設計技術者や現場監督や土工及びその見習いの経験等は認められます。


※「電気工事業」と「消防施設工事業」においては、資格のない職務は実務経験として認められません。


◎特定建設業においては通常の実務経験のみでは専任技術者になれない

実務経験が10年以上あっても特定建設業の場合は専任技術者としては認められません。

一般建設業の専任技術者要件に該当する者が、指導監督的実務経験を2年以上持っていれば、特定建設業の専任技術者になることができます。(指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の工事において現場監督のような立場での実務経験を指します。)

ただし、指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)の場合は認められません。



実務経験は客観的な資料で証明しなければならない


専任技術者の要件を実務経験で証明する場合、客観的に経験を証明できる確認書類を準備しなければなりません。

以下の各書類で実務の経験とその期間在籍していたことを証明しなければなりません。


実務経験確認

・工事の契約書、注文書・請書、請求書・入金履歴

※大阪府の場合、工事と工事の間が12ヵ月以上空いていなければ、連続した経験期間として認められます。各自治体によって判断が異なります。


>許可業者での経験の場合

・決算変更届の表紙+工事経歴書(経験年数分)


※専任技術者として就任していた場合は経験期間に該当する建設業許可申請書の副本


在籍確認

・被保険者記録照会回答票、雇用保険被保険者証、雇用保険被保険者離職票、個人事業確定申告書類



現在の会社で常勤していることが求められる


専任技術者は営業所ごとに専任の技術者なので、常勤していることが求められます。

資格を持っていることや実務経験があることを証明するのと同時に、現在常勤であることを証明しなければなりません。

常勤性については、別記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


建設業許可申請における常勤性の確認について


 

最後に


建設業を営む上で専任技術者は経営業務の管理責任者と並び重要な存在なので、許可申請時に厳しいチェックが行われます。

常勤性は、許可取得後も更新や変更、経営事項審査の場面において都度チェックされることになります。


資格がなくて実務経験で証明しなければならない場合、実務経験はあるものの、それを証明できずに許可取得を断念するということがよくあります。

実務経験の証明書類を揃えることができるか不安な場合は、ぜひ事前に専門家に相談することをご検討ください。



この記事は行政書士が執筆・監修しています。

アールエム行政書士事務所/代表/金本 龍二(かねもと りゅうじ)

本記事は建設業に特化した事務所の行政書士が執筆・監修しています。

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