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専任技術者になるにはどんな資格・実務経験が必要?役員でなくてもなれる?

  • 執筆者の写真: Ryuji Hemmi
    Ryuji Hemmi
  • 3月10日
  • 読了時間: 9分

建設業許可の資格・専任技術者

建設業許可を取るには、営業所ごとに専任技術者を配置しなければなりません。


ただ、「専任技術者になるにはどの程度の資格や実務経験が必要なのか」「役員でない従業員でもなれるのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。


専任技術者は資格を持っている人だけでなく、業種によっては一定年数の実務経験がある人もなることができます。また、必ずしも役員である必要はなく、常勤性などの要件を満たせば従業員でも専任技術者になることが可能です。


この記事では、専任技術者になるために必要な資格・実務経験と、常勤性の考え方、実務上注意したいポイントをわかりやすく解説します。


なお、建設業法上は現在「営業所技術者等」という名称が用いられていますが、本記事では実務上なじみのある「専任技術者」の呼称で説明します。



💡この記事のポイント

●専任技術者は業種に対応する資格があれば要件を満たせる

●資格がなくても一定年数の実務経験で認められる場合がある

●専任技術者は必ずしも役員である必要はない

●従業員でも営業所での常勤性などの要件を満たせば専任技術者になれる

●アルバイトや非常勤は難しく、出向社員は要件と資料次第で認められる場合がある




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▼目次



専任技術者はなぜ重要?建設業許可で欠かせない理由


建設業許可は定められた要件をすべて満たしていなければ取得できません。


その中でも専任技術者は許可を受けられる業種一般建設業・特定建設業の区分に直結する、非常に重要な要件です。制度上、営業所ごとに一定の資格や実務経験を備えた技術者を置くことが求められています。


また、専任技術者は経営業務の管理責任者と同じく、人に関する要件です。


そのため、退職や異動などで要件を満たせなくなるリスクがあり、許可取得時だけでなく、許可後も継続して管理が必要 になります。




◎専任技術者は、会社の「技術力」を担保する要件 

専任技術者は、営業所で建設工事に関する技術的な管理を行う人です。


見積り、請負契約に関する技術面の確認、施工に関する技術的な対応など、営業所として建設工事を適切に受注・管理するための役割を担います。


こうした制度設計からも、専任技術者は会社の技術力を担保し、適正な施工や発注者保護につなげるための要件といえます。


◎専任技術者について押さえておきたいポイント

・営業所ごとに置く必要がある

・許可を受ける業種に対応した資格または実務経験が必要

・1人で複数業種を担当できる場合がある

・1つの業種を2人以上で担当できない

・現場配置技術者との兼ね合いには注意が必

専任技術者の配置を考えるときは、許可取得だけでなく、許可後の現場運用もあわせて考えておく必要があります。


主任技術者・監理技術者の資格基準は専任技術者と同じですが、兼任には一定の制限があります。


近年は合理化も進んでいますが、依然として個別要件の確認は重要です。



現場配置技術者制度について詳しく知りたい方は、以下のリンク記事もあわせてご確認ください。



専任技術者に必要な資格とは


許可を取得したい業種に応じた資格を持っていれば、専任技術者になることができます。


難易度の高いものや資格取得後の実務経験まで求められるもの等、資格の種類はさまざまです。


令和5年の改正により、資格に対応する業種の幅が広がりました。


内容はやや複雑なので、詳しく知りたい方は以下のリンク記事もあわせてご確認ください。


◎専任技術者になり得る国家資格等の一覧

1番代表的で、よく知られている資格は、国土交通省所管の「施工管理技士」です。その他、厚生労働省所管の「技能士」などがあります。


下の表に記載された資格を持っていると、印のついた業種の専任技術者になることができます。


1人で複数業種を担当することも可能です。


「○」は一般建設業の専任技術者になることができ、「◎」は特定建設業の専任技術者にもなることができます。


「③」は3年以上の実務経験をあわせることで、「⑤」は5年以上の実務経験をあわせることで一般建設業の専任技術者になることができます。


専任技術者の資格R5改正分の画像
専任技術者の資格一覧の技術士等
建設業許可代行/専技の資格 技能検定
建設業許可 取得/専任技術者 基幹技能者

〈国土交通省HPから引用〉



専任技術者に必要な実務経験とは


資格がなくても、一定の実務経験があれば専任技術者になれる場合があります。


ただし、資格で申請する場合に比べると、要件の確認や証明資料の準備は難しくなるのが通常です。


特に、必要年数を満たしているか、経験した工事の内容が許可を受けたい業種に対応しているか、客観的資料で証明できるかが重要になります。


ここでは、専任技術者に必要な実務経験の年数や内容、特定建設業の場合の注意点、証明資料について整理します。



◎実務経験に含まれるのはどんな仕事?

実務経験に含まれ得るのは、たとえば次のような仕事です。


・許可を受けたい業種の工事に関する設計業務

・現場監督、施工管理などの技術的な管理業務

・土工やその見習いなど、施工に関する技術的な業務


国の手引きでも、設計技術者としての設計業務、現場監督技術者としての監督業務、土工やその見習いとしての経験などが実務経験に含まれる例として示されています。



◎求められる実務経験の年数・内容

必要な実務経験年数

原則として、許可を取りたい業種について10年以上の実務経験が必要です。


この10年は、どの業種でも共通に使えるわけではなく、許可を受けようとする業種に対応する工事経験 でなければなりません。


また、同じ10年間の経験を複数業種に重ねて使うことはできません。


たとえば2業種について実務経験で専任技術者になろうとする場合、原則として20年以上の経験が必要になります。


なお、電気工事業消防施設工事業では、資格なしで行う業務が実務経験として認められにくいため、個別の確認が必要です。


◎特定建設業の場合は10年実務だけでは足りない

特定建設業の場合は、単に実務経験が10年以上あるだけでは足りません。


一般建設業の専任技術者になれる要件を満たしたうえで、さらに 2年以上の指導監督的実務経験が必要です。


この「指導監督的実務経験」とは、建設工事の設計・施工全般について、現場監督者や工事現場主任のような立場で、技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。


対象となるのは、発注者から直接請け負った、請負代金 4,500万円以上 の工事です。


ただし、指定建設業についてはこの指導監督的実務経験があっても足りず、該当する国家資格等(1級相当)が必要です。

【指定建設業7業種】 土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業


◎実務経験での申請は、なぜ難しいのか

実務経験で専任技術者になる場合は、どんな工事に従事したのかとその期間、実際に在籍していたのかの両方を、客観的資料で証明しなければなりません。


大阪府も専任技術者の実務経験については、工事の請負契約の実績があり、その工事に関する技術上の職務に就いていたことが必要であり、実務経験証明書に加えて契約書や注文書等の確認資料が必要になります。


✅実務経験の確認資料

・工事の「請負契約書」、「注文書・請書」、「請求書・入金履歴確認書類」のいずれか


これらの資料から、許可を受けようとする業種の工事であることが読み取れなければなりません。


また、大阪府では、確認できた工事と次の工事との間が12か月を超えて空かなければ、連続した経験期間として取り扱うこととされています。


もっとも、このあたりは自治体によって判断が異なるため、申請先の取扱いを確認するのが安全です。



▶許可業者での経験の場合

・「決算変更届の表紙」+「工事経歴書」(経験年数分)


許可業者で専任技術者として就任していた場合は「建設業許可申請書の表紙」と「実務経験証明書(様式第9号)」があれば、証明できます。


✅経験期間の在籍確認資料

・「被保険者記録照会回答票」、「雇用保険被保険者証」、「雇用保険被保険者離職票」のいずれか


個人事業での専従者・従業員の場合は、所得税確定申告書第一表などで確認されます。


一方で、個人事業主が自分自身の経験を証明する場合など、証明者と申請者が同一であるケースでは、在籍確認資料が不要となることがあります。



専任技術者は役員でないとダメ?従業員でもなれる?


専任技術者は、必ずしも会社の役員である必要はありません。


営業所に常勤し、専らその職務に従事できる状態であれば、役員ではない従業員でも専任技術者になることができます。


ここで重要なのは、役職そのものではなく、営業所における常勤性があるかどうかです。


専任技術者は、会社と恒常的な雇用関係にあり、原則、勤務時間中はその営業所に勤務していることが求められます。


そのため、アルバイトやパートなど非常勤の勤務形態では、専任技術者として認められるのは通常は難しいと考えられます。


一方、出向社員については、出向先の営業所に常勤している実態があり、社会保険や在籍関係、勤務状況などを資料で確認できる場合には、専任技術者として認められることがあります。


常勤性については、以下のリンク記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。



最後に


専任技術者は、建設業許可の中でも特に重要な要件のひとつです。


経営業務の管理責任者と同じく「人」に関する要件であるため、許可申請時には厳しく確認されます。


常勤性については許可取得後も更新の場面において都度チェックされることになります。


実務経験そのものはあっても、契約書や注文書、在籍確認資料などを十分にそろえられず、結果として許可取得を断念せざるを得ないケースも少なくありません。


「自社の人員で専任技術者の要件を満たせるのか分からない」「実務経験の証明資料が足りるか不安」という場合は、申請を進める前に専門家へ相談しておくと安心です。




この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP

当事務所では建設業許可の申請代理を承っております。


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