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  • 執筆者の写真Ryuji Kanemoto

【解体工事】アスベスト(石綿)事前調査結果の報告義務化|これだけチェック!

更新日:2023年11月10日


建設業許可代行/アスベスト事前調査のこと

アスベスト(石綿)は1970年代から1990年代にかけて大量に輸入され、耐火、断熱、防音などを目的に建材に多く使用されてきました。

しかし、健康被害リスクがあることが明らかになり、2006年にはアスベスト(石綿)が重量の1%を超えて含まれる全ての物の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。

そして、昨年2021年4月からは解体・改修などの工事においてアスベスト(石綿)使用有無の事前調査等が義務づけられ、今年、調査結果の報告までが義務づけられることとなりました。





事前調査報告はアスベスト(石綿)対策の重要ポイント


解体に伴い、アスベスト(石綿)が出る場合は、発注者・元請業者ともに事前調査から結果報告まで厳格なルールのもと責任を負うことになります。


◎解体等工事におけるアスベスト(石綿)飛散防止対策の流れ

解体工事に伴うアスベストに関する元請義務

◎特定建築材料とは?分類と一例








◎事前調査について

✅実施義務を負うのは元請業者です。

✅実施者は2023年10月以降、石綿に関する以下の一定の知識を有する者に限られます。

・建築物石綿含有建材調査者講習を修了した者

・一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録されている者

✅調査の方法は、設計図書による確認・目視、分析調査です。

※設計図書や目視で確認できない場合に分析調査が必要になります。分析調査は対象の建材を採取し、分析機関にて行います。

※2006年9月1日以後に着工された建築物等は、設計図書によりそのことが明らかであれば、目視や分析調査は必要ありません。

※石綿が使用されているとみなして石綿飛散防止措置を講じる場合は分析調査まで行う必要はありません。

✅事前調査結果の記録と書面を作成しなければなりません。また、発注者への結果の説明も必要です。

✅書面の様式例は、大阪府HP「建築物の解体などの作業に係る石綿(アスベスト)飛散防止規制」に掲載されています。


◎事前調査結果の報告について

✅石綿の使用有無に関わらず、事前調査結果を速やかに電子システムを通じて自治体・労基署へ報告しなければなりません。電子システムには「GビズID」が必要です。


(報告対象)

・建築物の解体作業で、工事の対象となる床面積の合計が80㎡以上であるもの

・建築物の改造・補修作業で、工事の請負金額の合計が100万円以上であるもの

・工作物の解体等作業で、工事の請負金額の合計が100万円以上であるもの


◎事前調査結果の掲示、記録・書面の備え付けについて

✅事前調査の結果を建築物等の敷地内の公衆の見やすい場所に掲示しなければなりません。作業の開始から終了まで掲示します。

✅掲示の様式例は、大阪府HP「建築物の解体などの作業に係る石綿(アスベスト)飛散防止規制」に掲載されています。

✅事前調査結果の記録・書面(写し)を現場事務所などに備え付けて閲覧できるようにしておかなければなりません。


以上が工事着工までの内容です。

 

最後に


着工前の届出や工事中の作業基準、産業廃棄物としての最終処分等、細かな論点が他にもたくさんありますが、ここでは割愛させていただきます。


今回の内容は、建設業許可申請と直接関係ありませんが、特に内装仕上工事の業者さまから、事前調査から報告までの流れがわからないとよく相談を受けるので取り上げてみました。


ご参考いただければ幸いです。



この記事は行政書士が執筆・監修しています。

アールエム行政書士事務所/代表/金本 龍二(かねもと りゅうじ)

本記事は建設業に特化した事務所の行政書士が執筆・監修しています。

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