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  • 執筆者の写真Ryuji Kanemoto

【建設業専門の行政書士監修】主任技術者の配置義務違反に注意!|処分事例で徹底解説

更新日:2023年12月23日


主任技術者の配置義務違反に注意!処分事例で解説

[2022年6月]


先月末、某大手電機メーカーの子会社が工事の際に建設業法で定められている主任技術者の現場配置を怠っていたということが、ニュースで報じられました。


いつから現場配置を怠っていたのか、時期や件数、発覚の経緯などは明らかになっておらず、これから外部調査委員会が調査を進めるとのことです。


この子会社は建設業許可を取得している業者なので、一部の例外を除き、資格者である主任技術者を現場に配置する義務があります。


建設業許可を取得していない業者であれば、配置義務はありません。

建設業に関わる方は、建設業法に基づく適正な施工体制について今一度確認しておくことが望ましいでしょう。

 

[追記 更新(2022年11月)]


某大手電機メーカーの子会社による建設業法違反の件、外部調査委員会の4ヵ月近い調査によって違反の内容が明らかになりました。(2022年9月)

2012年度~2022年度の間、全国2万件以上の工事現場で主任技術者配置義務違反が確認されたとのことです。


他にも

・一括下請負の禁止(建設業法第22条)

・契約締結前書面の提出(建設業法第19条)

・営業所外での営業行為(建設業法第3条)

についての違反も明らかになりました。


主任技術者の配置義務違反の原因として、大きく3点挙げられています。


①建設業法の理解不足

請負金額が500万円未満の現場では主任技術者の配置義務がないと勘違いしていたと思われます(建設業法には、工事の規模や種類の限定はなく、建設業許可業者であれば、どんな工事現場でも主任技術者の配置義務があると規定されています)。


②内部統制の不備

チェック体制が甘かったということです。


③販売店への過度な忖度

これは是正されず違反状態が続いた原因ということです。

主任技術者不足で現場配置できないから受注を止めるとなると、販売店に迷惑がかかるということでしょう。


前回、解説したように建設業法違反をすると、行政処分や罰則を受ける可能性があります。

さらに場合によっては許可取り消しのリスクもでてきます。

そして、今回のように主任技術者配置義務違反があると、後からそのことを理由に工事の不備等も指摘されかねません。


建設業許可取得後は、建設業法に基づいた適正な施工体制を十分に意識し、リスクを未然に防ぐようにしておいた方が良いでしょう。



建設業許可の問い合わせはこちらの図


▼目次



主任技術者配置義務違反の概要


某大手電機メーカーには全国に販売店があり、販売店が販売した電機製品を設置する工事をこの子会社が担当するという構造のようです。そして全国各地の設置工事で主任技術者の配置が必要であったにも関わらず、配置を怠っていたことが判明したということです。


主任技術者の配置義務については建設業法第26条1項で以下のように定められています。

 

(主任技術者及び監理技術者の設置等)

第26条 建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。

(引用:建設業法e-Gov法令検索)

 

ここで言う「建設業者」というのは、建設業の許可を受けている者という意味です。

建設業法上は「建設業を営む者」の中で許可を受けている者だけを「建設業者」と言います。


そして「その請け負った建設工事を施工するとき」に主任技術者を配置しなければならないと規定されています。要は、工事規模や工事の種類に関係なく、建設業の許可を受けた者が工事を施工するときは必ず主任技術者を配置しなければならないという規定なのです。


本件の場合、全国すべての工事で主任技術者の配置義務があったことがうかがえます。

憶測ですが、適正に配置していた工事の方が少ないのかもしれません。



建設業法における主任技術者とは?


建設業許可業者であれば、工事を施工するときに主任技術者を配置しなければならないのは、建設業法第26条にあるとおりです。では、主任技術者はどのような資格が必要なのでしょうか?どのような職務を行うのでしょうか?


◎主任技術者の資格要件

建設業法第26条1項の中で、「当該建設工事に関し第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者で~(以下「主任技術者」という。)」と定義されています。


以下、建設業法第7条2号です。

 

(許可の基準)

第7条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。


2  その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。

 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法(昭和22年法律第26号)による高等学校(旧中等学校令(昭和18年勅令第36号)による実業学校を含む。第26条の7第1項第2号ロにおいて同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後5年以上又は同法による大学(旧大学令(大正7年勅令第388号)による大学を含む。同号ロにおいて同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校を含む。同号ロにおいて同じ。)を卒業した(同法による専門職大学の前期課程を修了した場合を含む。)後3年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの

 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し10年以上実務の経験を有する者

 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者

(引用:建設業法e-Gov法令検索)

 

専任技術者のことを規定する条文です。要は、専任技術者と同じ資格要件を満たしている者でなければならないということです。


◎主任技術者の職務

建設業法第26条1項の中で、「~当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)」と定義されています。


現場の施工計画の策定と実行、工程管理、品質管理、安全管理が主任技術者の主な職務となります。元請の立場、下請の立場で求められる内容は異なります。


主任技術者ではなく、監理技術者を配置しなければならない場合等、施工体制に関して建設業許可業者に課せられる義務については別記事で詳しく解説しています。あわせてご確認いただければと思います。



主任技術者配置義務違反にはどのような罰則があるのか?


今回の主任技術者配置義務違反は建設業法上どのような罰則が規定されているのか気になるところです。

第28条に規定されている監督処分の他、第52条第1号に罰則が規定されています。


 

第52条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、100万円以下の罰金に処する。

1 第26条第1項から第3項まで又は第26条の3第7項の規定による主任技術者又は監理技術者を置かなかったとき。

(引用:建設業法e-Gov法令検索)

 

指示処分や営業停止処分といった監督処分に加えて、罰金刑が科される可能性があるのです。行政処分が指示処分程度で済んだとしても、罰金刑が科されると建設業許可の欠格要件に該当することになり、結果的に許可取り消しという事態もありえます。



最後に


建設業法違反の中で、主任技術者配置義務の違反はそれほど多くありません。

大阪府でも処分事例はあまり見られません。


建設業者は、毎年提出する工事経歴書に工事ごとに配置した主任技術者または監理技術者を記載しなければならないので、配置義務を怠るということ自体があまりないのでしょう。


注意すべきは、結果的に怠っていた、配置義務があるのを知らずに配置していなかったというケースです。おそらく今回の一件もそうなのだと思います。


工事現場によって主任技術者を配置しなくても良いのではないかと勝手に判断せず、ほぼすべての工事現場で配置義務があると思っていた方が良いでしょう。



この記事は行政書士が執筆・監修しています。

アールエム行政書士事務所/代表/金本 龍二(かねもと りゅうじ)

本記事は建設業に特化した事務所の行政書士が執筆・監修しています。

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