解体工事業登録の申請ガイド|2つの要件・必要書類・登録後の届出まで徹底解説
- Ryuji Hemmi

- 1月1日
- 読了時間: 8分

解体工事は請負金額が500万円未満でも「解体工事業登録」が必要になります(建設リサイクル法)。
本記事では、建設業許可との違い、登録のルール、2つの登録要件(技術管理者・欠格要件)、必要書類と書き方、登録後の変更届まで、申請の流れに沿って整理します。
これから解体工事業に参入する事業者にとっては必要不可欠の内容です。
💡この記事のポイント ●500万円未満でも解体工事は登録が必要(建設リサイクル法) ●建設業許可(土木/建築/解体)があれば登録不要 ●登録は「工事を行う区域ごと」に必要(許可と違う) ●要件は2つ:技術管理者の配置+欠格要件に該当しないこと ●申請書類一式と、登録後の変更届・廃業届の要点も押さえる |
▼目次
(2)登録の要件(条件)は2つ
(1)提出書類・提示書類
(2)提出書類の書き方
(1)変更の届出
(2)廃業・抹消の届出
5.最後に

解体工事業の登録とは(500万円未満でも必要)
請負金額が 500万円未満の工事であれば、原則として建設業許可は不要です。
ただし、これはあくまで建設業法上の話であり、解体工事には別のルールが適用されます。
解体工事業は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」の対象となるため、請負金額が500万円未満であっても、解体工事業の登録が必要になります。
◎解体工事業登録と建設業許可の関係
建設リサイクル法は、建設工事に伴って発生する廃棄物の再資源化を促進し、最終処分量を減らすことを目的とした法律です。
特に多量の廃棄物が発生する解体工事については、適正な施工を確保するため、登録制度を含むさまざまな義務が設けられています。
一方で、土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を受けている場合は、解体工事業について別途登録を行う必要はありません。
ただし注意が必要なのは、土木工事業や建築工事業の許可を持っていても500万円以上の解体工事を請け負うことはできないという点です。500万円以上の解体工事を請け負うためには、解体工事業の建設業許可が必要になります。

◎解体工事に該当するかどうかの区分はわかりづらい
解体工事業の登録や許可が必要かどうかは、請け負う工事が「解体工事」に該当するかどうかで判断されます。
しかし、この区分は実務上非常にわかりにくく、誤解が生じやすいポイントです。建設業許可事務ガイドラインでは、次のように整理されています。
“それぞれの専門工事により建設される目的物について、それのみを解体する工事は、各専門工事に該当する。 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ「土木一式工事」または「建築一式工事」に該当する。” |
この考え方を踏まえると、次のように整理できます。
◯電気工事・管工事など各専門工事によって造られた設備のみを解体する場合
⇒解体工事業には該当しない
○元請として大規模な解体を総合的に行う場合
⇒解体工事業には該当しない
○一棟の家屋または家屋の一部解体を行う場合
⇒解体工事業に該当する
また、元請として 建物の解体から新築までを一体として請け負う場合は、解体工事は 建築一式工事の一部として扱われます。
このように、工事の内容・範囲・請負形態によって扱いが変わるため、「解体工事に当たるかどうか」を慎重に判断することが重要です。
登録申請手続きの概要
解体工事業の登録は、「どこに申請するのか」「どんな条件を満たす必要があるのか」この2点を押さえれば、制度自体はそれほど難しいものではありません。
ここでは、登録申請の基本的な考え方と、実務上つまずきやすいポイントを整理します。
◎登録申請は「工事を行う区域ごと」に必要
建設業許可は、営業所の所在地を基準として都道府県知事または国土交通大臣から許可を受けます。
許可を受ければ、工事は全国どこでも行うことができます。
一方、解体工事業の登録は考え方が異なります。
解体工事業の登録は、「解体工事を行う区域(工事現場の所在地)」ごとに、その区域を管轄する都道府県知事から登録を受ける必要があります。
そのため、登録を受けていない都道府県内では、解体工事を行うことができないという点に注意が必要です。
なお、土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を受けている場合は、解体工事業の登録を別途受ける必要はなく、全国で解体工事を行うことができます。
◎登録の要件(条件)は大きく2つ
解体工事業の登録要件は、建設業許可と比べるとシンプルで、主に次の2点がチェックされます。
① 技術管理者を配置していること
解体工事業では、技術管理者を選任することが必須です。
技術管理者とは、解体工事の現場において、施工方法や安全管理など技術上の管理を行う責任者をいいます。
技術管理者になるための要件は、以下のいずれかを満たす必要があります。
なお、技術管理者は原則、常勤性は求められません(国交省パブコメ内の見解)。
【資格による要件】
1級・2級建設機械施工管理技士
1級・2級土木施工管理技士
1級・2級建築施工管理技士
技術士(建設部門)
1級・2級建築士
とび技能士(一定の実務経験が必要な場合あり)
解体工事施工技士試験合格者 など
【実務経験による要件(解体工事施工技術講習受講の場合は短縮あり)】
指定学科修了者:2年〜4年
それ以外の場合:8年
※実務経験の場合は、工事内容・期間が客観的に確認できる資料が求められることがあります。
※実務経験として認められるのは、建設業許可業者または解体工事業登録業者での経験のみです。
② 欠格要件に該当していないこと
申請者(法人の場合は役員を含む)が、建設リサイクル法で定められた欠格要件に該当していないことも必要です。
たとえば、
・解体工事業の登録取消しや業務停止処分を受けて一定期間が経過していない
・建設リサイクル法違反で罰金以上の刑を受け、一定期間が経過していない
・暴力団関係者である
・技術管理者を選任していない
といった場合は、登録を受けることができません。
また、申請書や添付書類に重要な虚偽記載や記載漏れがある場合も、登録は認められません。
必要書類一覧:提出書類・提示書類・書き方
解体工事業の登録に必要な書類は、建設業許可と比べると多くはありません。
しかし、提出書類と提示書類を正しく区別して準備することが重要です。
申請時には、正本・副本 各1部を提出します。
◎提出書類・提示書類
【提出書類】
①解体工事業申請書(規則様式第1号)
②誓約書(規則様式第2号)
③技術管理者の資格要件を証明する書類
・実務経験証明書(規則様式第3号)
・卒業証書・卒業証明書の写し(該当する場合)
・資格免状等(該当する場合)
④登録申請者の調書(規則様式第4号)
⑤申請者の所在確認書類
・会社謄本(法人の場合)
・住民票(個人の場合)
【提示書類】
①技術管理者の在籍確認書類
・健康保険被保険者標準報酬決定通知書(直近分)
・雇用保険証
・直近3か月分の給与台帳
※代表者が技術管理者の場合は不要
②営業所の所在地確認書類
・賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
・建物登記簿謄本(自己所有の場合)
※会社謄本どおりの営業所所在地であれば不要
※住民票の住所が営業所所在地であれば不要
③解体工事業登録通知書(更新申請の場合)
④本人確認書類
◎提出書類の書き方
・様式1号 解体工事業登録申請書(表面)

・様式1号 解体工事業登録申請書(裏面)

・様式2号 誓約書

・様式3号 実務経験証明書

・様式4号 登録申請者の調書
法人の場合、法人分の調書と役員全員の調書が必要になります。


登録後に必要な届出
解体工事業の登録の有効期間は5年間で、5年ごとに更新が必要です。
有効期間中、登録上重要な事項に変更が生じた場合は変更の届出をしなければなりません。
また、廃業する場合や建設業許可(土木、建築、解体)を取得した場合も届出が必要です。
◎変更の届出
登録内容に変更が生じた場合は、変更があった日から30日以内に届出が必要です。
変更の対象となる主な事項は、商号・所在地・役員・技術管理者などです。
・解体工事業登録事項変更届出書(規則様式第6号)
※変更内容に応じた添付書類も必要


◎廃業・抹消の届出
次の場合も、30日以内に届出が必要です。
・解体工事業を廃業した場合
・建設業許可(建築・土木・解体)を取得した場合
建設業許可を取得すると、解体工事業登録は不要となるため、登録を抹消する手続きを行います。
・解体工事業廃止等届出書

・建設業許可取得通知書


最後に
解体工事業の登録は、制度自体は比較的シンプルですが、複数の都道府県での登録や、産業廃棄物収集運搬許可との関係など、判断が難しい場面もあります。
書類の作成や手続きを確実に進めたい場合は、建設業手続きに精通した行政書士に相談することで、無駄な手戻りやリスクを避けることができます。
![]() | この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ) アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。 知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP |
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