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  • 執筆者の写真Ryuji Kanemoto

【解体工事】大阪マルビル 建て替えについて考える

更新日:2023年11月10日


建設業許可代行/解体工事の工法


| 大阪梅田のシンボル「大阪マルビル」が建て替えへ…


竣工から50年近く経過し、建物・設備の老朽化や周辺施設との競争力の低下がみられるので、

大阪の新たなランドマークとして刷新し、より質の高い商品・サービスを提供する。

2023年夏の解体工事着手、2030年春の完成を目指す。2025年4月13日~2025年10月13日の間は、

大阪・関西万博のバスターミナルとして敷地を提供する。

今年5月、「大和ハウス工業」と「大阪マルビル」がこのような発表をしました。


個人的には、あの趣のある佇まいが好きで、思い入れもあるので、発表を知ったときはショックでした。

学生時代に通っていたタワーレコード梅田大阪マルビル店が今年初めに閉店した矢先の出来事だったので、

なおさらです。


しかし、竣工から約半世紀も経過し、周辺の再開発もどんどん進んでいるのは事実なので、

老朽化や競争力低下と言われると、さすがに仕方がないですね。


時代は変わる、新しいものに生まれ変わること自体は良いこと、と考えるのが自然なのかもしれません。


新マルビル(マルビルという名前が残るのかどうかは知りませんが…)が次の世代の新しいランドマークになることに期待するしかないですね。



この大阪マルビル建て替えの件について、感傷に浸っているだけでなく、ふと気になっていることがあります。


「この超高層ビル(123m)をどうやって解体するの?」ということです。


解体工事となるとアスベスト対策をはじめとするさまざまな環境保全対策が重要になります。

超高層かつ周りがビルや商業施設に囲まれている状況で、対策を講じながらの作業はかなり難しいのでは?とか思うわけです。(ダイナマイトで爆破なんて方法は、いまの日本で現実的ではないですし)


以前は重機をビルの屋上まで運んで、上から下へ解体していくというのが一般的な方法でした。


いろいろ調べてみると、どうやら大手ゼネコン各社がより安全に効率的に解体するために、競って新しい工法を開発し続けていることを知りました。主要なものだけを以下ご紹介します。


●鹿島建設:鹿島カットアンドダウン工法

「だるま落とし」の要領で、下の階から解体する工法。柱を切断してジャッキを設置し、建物全体を支えながら順次解体。地上付近での解体作業になるため、粉じんの飛散や騒音を抑えることができる。


●大成建設:テレコップシステム

上部閉鎖式解体工法の1つ。最上階を有効利用して閉鎖空間をつくり、ジャッキ内蔵の柱を設置し、1フロアごとに解体し、ジャッキで自動降下させる。作業する部分が覆われているため、粉じんの飛散や騒音を抑えることができる。


●大林組:キューブカット工法

ブロック解体工法の1つ。床・梁・柱の構造部材をブロック単位で切断し、タワークレーンで地上に降ろし、地上で小割りする工法。

地上で分別処理するので、粉じんの飛散や騒音を抑えることができる。


●清水建設:シミズ・リバース・コンストラクション工法

ブロック解体工法の1つ。最上階のコンクリート床を切断し、鉄骨・梁・柱を分解。タワークレーンで地上に降ろし解体。建設した手順を逆回しにして解体するという意味。

地上で分別処理するので、粉じんの飛散や騒音を抑えることができる。


●竹中工務店:竹中ハットダウン工法

上部閉鎖式解体工法の1つ。建物上部を覆うように移動式解体工場を設置。フロアごとに解体しながら地上まで降りていく。作業する部分が覆われているため、粉じんの飛散や騒音を抑えることができる。



ちなみについ先日にも鹿島建設がまた新しい工法「鹿島スラッシュカット工法」を開発し、現在、世界貿易センタービルディング既存本館解体工事に適用しているとの発表がありました。


しばらく続く解体ラッシュに向けて各社が技術開発に力を入れていることがうかがえます。

なにより日本の建築技術の高さには本当に驚かされます。


大阪マルビルがどのような工法で解体されるのか興味がありますし(だるま落としが見てみたい)、

最後の姿を見届けるためにも工事が始まったら見に行ってきます。


 

当事務所では建設業許可の申請代理を承っております。


大阪市鶴見区・城東区・都島区・旭区を中心に大阪府全域、奈良県、兵庫県、和歌山県は標準対応エリアです。

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