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  • 執筆者の写真Ryuji Kanemoto

【建設業許可の変更届】届出が必要なケースとは?提出書類等も総まとめ!

更新日:3月15日


建設業許可の変更届まとめ


「建設業許可の更新時期に申請をしたけれど、受け付けてもらえなかった」


意外とよくある事例です。


建設業許可業者は許可取得時の申請情報に変更があった場合、その旨を届け出なければなりません。

これを変更届といいます。


変更届をきちんと提出していなければ、申請情報が古いままなので、更新等の申請の際に情報が一致しません。


結果、申請を受け付けてもらうことができないのです。


それだけではなく、罰則を受ける可能性があることも忘れてはいけません。


本記事を読むと、どのような場面で届出が必要になるのか、いつまでに提出しなければならないのか、どんな書類が必要になるのか、変更届の全体像をつかむことができます。


ぜひご参考にしていただければと思います。



▼目次



届出の期限と必要書類


届出事項によって変更届の提出期限が異なります。


経営業務の管理責任者や専任技術者といった重要な人的要件に関わる届出は期限が短く、14日以内とされています。

それ以外の届出は30日以内です。


届出事項別に提出書類と確認資料(提示)を一覧にしてまとめています。



◎ 期限が事実発生後「14日以内」の届出事項

特に経営業務の管理責任者や専任技術者が交代する時は、要件を満たしていることを証明しなければならないので注意が必要です。


届出は事後に行うものなので、万が一そのタイミングで経営経験や実務経験が認められなかった場合、許可要件を欠いたことになってしまいます。


届出事項

提出書類

確認資料(提示)

【経営業務の管理責任者】 ▶交代したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・常勤役員等証明書(様式第7号) ・常勤役員等の略歴書(様式第7号別紙)

・経験を確認する資料 ・常勤性を確認する資料 ・商業登記簿謄本

【経営業務の管理責任者】 ▶氏名の変更があったとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・常勤役員等証明書(様式第7号)

・戸籍抄本、住民票、商業登記簿謄本等 (氏名の変更が確認できる資料)

【健康保険等の加入状況】 ▶適用除外や本店一括等、加入有無に変更があったとき ▶事業所番号に変更があったとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・健康保険等の加入状況(様式第7号の3) ・保険番号の確認資料 (標準報酬決定通知書等)

【専任技術者】 ▶担当業種または有資格区分の変更があったとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) ・専任技術者証明書(様式第8号) ・技術者要件を証明する書面 ※担当業種のみ変更の場合は不要

・請負契約書や注文書・請書等の確認資料 ※実務経験で証明する場合のみ

【専任技術者】 ▶追加(交代に伴う就任、営業所新設に伴う就任)があったとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) ・専任技術者証明書(様式第8号) ・技術者要件を証明する書面

・請負契約書や注文書・請書等の確認資料 ※実務経験で証明する場合のみ ・常勤性を確認する資料

【専任技術者】 ▶削除(交代に伴う退任)したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) ・専任技術者証明書(様式第8号)

【専任技術者】 ▶所属する営業所の変更があったとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) ・専任技術者証明書(様式第8号)

【専任技術者】 ▶削除したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) ・届出書(様式第22号の3)

【専任技術者】 ▶氏名の変更があったとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) ・専任技術者証明書(様式第8号)旧姓 ・専任技術者証明書(様式第8号)新姓

・戸籍抄本、住民票、商業登記簿謄本等(氏名の変更が確認できる資料)

【令3条使用人】 ▶交代、支店新設で就任した場合

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・令3条使用人の一覧表(様式第11号) ・令3条使用人の調書(様式第13号) ・誓約書(様式第6号) ・登記されていないことの証明書 ・身分証明書 ・変更届出書[第二面](様式第22号の2) ※支店の追加がある場合のみ必要

【令3条使用人】 ▶交代、支店廃止で退任した場合

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・令3条使用人の一覧表(様式第11号) ・変更届出書[第二面](様式第22号の2) ※支店の廃止がある場合のみ必要


◎ 期限が事実発生後「30日以内」の届出事項

主要な許可要件に関わる事項ではないので、届出を忘れやすい傾向にあります。


期限内に届出ができるよう内容を把握しておきましょう。


届出事項

提出書類

確認資料

【基本情報】 ▶商号を変更したとき ▶資本金を変更したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・商業登記簿謄本

【営業所】 ▶新設したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・変更届出書[第二面](様式第22号の2) ・商業登記簿謄本 ・営業所概要書

【営業所】 ▶廃止したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・変更届出書[第二面](様式第22号の2) ・商業登記簿謄本

【営業所】 ▶業種を変更したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・変更届出書[第二面](様式第22号の2)

【営業所】 ▶移転したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・商業登記簿謄本 ・営業所概要書 ・変更届出書[第二面](様式第22号の2) ※支店の移転の場合のみ

【営業所】 ▶名称を変更したしたとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・変更届出書[第二面](様式第22号の2) ※旧名称・新名称各1部 ・商業登記簿謄本 ・健康保険等の加入状況(様式第7号の3)

【営業所】 ▶所在地を変更したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・商業登記簿謄本 ・変更届出書[第二面](様式第22号の2)※支店の移転の場合のみ

・住居表示通知書等

【法人の役員】 ▶役員等が就任したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・役員等の一覧表(様式第1号別紙1) ・誓約書(様式第6号) ・登記されていないことの証明書 ・身分証明書 ・役員等の調書(様式第12号) ・商業登記簿謄本

【法人の役員】 ▶役員等が退任したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・役員等の一覧表(様式第1号別紙1) ・商業登記簿謄本

【株主等】 ▶新たに株主等に該当したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・役員等の一覧表(様式第1号別紙1) ・誓約書(様式第6号) ・役員等の調書(様式第12号) ・株主調書(様式第14号)

【株主等】 ▶株主等でなくなったとき 

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・役員等の一覧表(様式第1号別紙1) ・株主調書(様式第14号)

【廃業】 ▶一部の業種を廃業したとき

・変更届の表紙 ・変更届出書[第一面](様式第22号の2) ・届出書(様式第22号の3) ・廃業届(様式第22号の4) ・専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)

【廃業】 ▶全部の業種を廃業したとき

・変更届の表紙 ・廃業届(様式第22号の4)

・事由に応じて確認資料必要



変更届の一種「決算変更届」は4カ月以内に提出


建設業許可業者は決算後4カ月以内に、許可行政庁に決算の内容を届け出なければなりません。


これを決算変更届といいます。


税務申告等のためのいわゆる一般的な決算とは別のものです。


決算変更届の提出書類は以下のとおりです。

財務諸表は建設業会計に基づいて作成したものでなければなりません。


【法人の場合】 ・変更届出書(府規則様式第3号) ・工事経歴書(様式第2号) ・直前3年の各事業年度における工事施工金額 ・使用人数(様式第4号) ※変更があった場合のみ ・健康保険等の加入状況(様式第7号の3) ※人数に変更があった場合のみ ・定款の写し ※変更があった場合のみ ・貸借対照表(様式第15号) ・損益計算書(様式第16号) ・株主資本等変動計算書(様式第17号) ・注記表(様式第17号の2) ・事業報告書(任意様式) ・法人事業税納税証明書(府税事務所発行)


変更届を提出していなければ、更新等の申請を受け付けてもらうことができない


上記のような届出事項があるにも関わらず、変更届を提出していなかったり、決算から4カ月以内に決算変更届を提出していなかった場合は、更新や業種追加等の申請を受け付けてもらうことができません。


許可の申請だけでなく、経営事項審査においても事前に変更届を済ませておく必要があります。


もし変更届を提出していなかった場合でも、さかのぼって提出することで申請を受け付けてもらうことは可能です。


しかし、罰則や監督処分の可能性があるので、届出忘れには十分に注意しましょう。



変更届を提出しなければ、罰則を受ける可能性がある


変更届の提出を怠ったり、虚偽の記載で提出した場合は以下のとおり、建設業法に罰則が規定されています。


第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

一 第五条(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による許可申請書又は第六条第一項(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による書類に虚偽の記載をしてこれを提出した者

二 第十一条第一項から第四項まで(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出した

三 第十一条第五項(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしなかつた者

四 第二十七条の二十四第二項若しくは第二十七条の二十六第二項の申請書又は第二十七条の二十四第三項若しくは第二十七条の二十六第三項の書類に虚偽の記載をしてこれを提出した者

2 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。(建設業法第50条)



万が一、懲役刑が科されるようなことになると、建設業許可の欠格要件に該当し、許可が取り消されることになります。


このような事態を避けるためにも、届出が必要な事項をきちんと把握し、届出漏れのないように管理すべきです。


建設業者は、許可取得後も建設業法に基づいた適正な事業運営が求められていることがよくわかります。



 

最後に


届出が必要な事項と期限をあらためてまとめると以下のとおりです。

■ 期限14日以内…経営業務の管理責任者、専任技術者、令3条使用人に関する変更 ■ 期限30日以内…営業所、役員、基礎情報等に関する変更 ■ 期限4カ月以内…決算変更届(使用人数等の変更含む)

変更届の提出は、期限を過ぎてもなんとかなると思われがちです。


特に決算変更届はそのような傾向にあると感じます。


しかし、あまりにも常習的だと監督処分、罰則、最悪の場合は許可取り消しの可能性もあります。


また、変更届・決算変更届も閲覧書類であることを忘れてはいけません。

本来、提出されているはずの書類が閲覧できないということになると信用問題にも関わるでしょう。



この記事の執筆者 金本 龍二(かねもと りゅうじ)|行政書士

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。 ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、行政書士事務所を開設。

建設業専門の事務所として 近畿圏内の知事許可、大臣許可、経営事項審査、 建設キャリアアップシステムをサポート。


 

当事務所では建設業許可の申請代理を承っております。毎年の決算変更届や各種変更届、経営事項審査までトータルのサポートもお任せください。


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