「専任技術者一覧表(様式第一号・別紙四)」は、「役員等の一覧表(別紙一)」「営業所一覧表(別紙二)」とともに「建設業許可申請書(様式第一号)」の別紙書類としてどの申請区分においても必要な書類です。
許可取得後には、誰もが閲覧できる書類の1つとして許可行政庁に保管されます。
専任技術者が担当する業種や有資格区分を記載するだけのシンプルな書類ですが、注意点がいくつかあります。
記載例とあわせて解説していますので、ぜひご参考にしていただければと思います。
▼目次
(1)すべての申請で必要
5.最後に
営業所ごとの専任技術者を一覧にした法定書類
「営業所一覧表(別紙二)」で記載した営業所ごとの専任技術者全員について記載する書類です。
■すべての申請で必要
■専任技術者の変更を届け出るときにも必要
申請だけでなく、変更届でも必要になります。
◎すべての申請で必要
どの申請区分でも必要な書類となり、業種追加+更新の場合等は、新たに追加する専任技術者だけでなく既存の専任技術者もすべて記載しなければなりません。
書類は大阪府HPの様式等ダウンロードページからダウンロードできます。
◎専任技術者の変更を届け出るときにも必要
上記の新規等申請時だけでなく、以下のように専任技術者を交代させる場合等も変更届出書とともに提出が必要になります。
✅担当業種又は有資格区分の変更
専任技術者の追加に伴って、現在の専任技術者の担当業種を変更する場合、実務経験で登録している専任技術者を国家資格の有資格区分に変更する場合等
✅追加・削除
専任技術者を交代や営業所の新設によって新たな専任技術者を追加したり、前任の専任技術者を削除する場合
✅置かれる営業所のみの変更
本店以外に営業所を置いている会社で専任技術者の所属営業所を変更する場合
✅氏名変更
専任技術者の氏名が変わる場合
✅一部廃業
一部の業種の許可を返納(廃業)する場合(専任技術者が減員するか、担当業種が減少する)
専任技術者一覧表(様式第一号・別紙四)の記載例・記載ルール
以下、「専任技術者一覧表(様式第一号・別紙四)」の記載例をもとに記載ルールを解説しています。
塗装工事業と内装仕上業、建築工事業の許可を保有している建設会社が、鋼構造物工事業の業種追加を行う場合の記載例です。
●本店で2級建築施工管理技士(塗装工事と内装仕上工事担当)、2級建築士(建築一式工事担当)の2名の専任技術者がすでに登録
●本店で新たに鋼構造物工事を担当する専任技術者を1級土木施工管理技士資格で申請
●守口支店で2級建築士(建築一式工事と内装仕上工事担当)、2級土木施工管理技士(塗装工事業担当)の2名の専任技術者がすでに登録
●守口支店で新たに鋼構造物工事を担当する専任技術者を10年以上の実務経験で申請
①営業所の名称
「営業所一覧表(別紙二)」の主たる営業所・従たる営業所を記載します。
②建設工事の種類
該当する建設工事の略号と専任技術者の該当種類コードを記載します。
《建設工事の略号》
土木一式工事(土)、建築一式工事(建)、大工工事(大)、左官工事(左)、とび・土工・コンクリート工事(と)、石工事(石)、屋根工事(屋)、電気工事(電)、管工事(管)、タイル・れんが・ブロック工事(タ)、鋼構造物工事(鋼)、鉄筋工事(筋)、舗装工事(舗)、しゅんせつ工事(しゅ)、板金工事(板)、ガラス工事(ガ)、塗装工事(塗)、防水工事(防)、内装仕上工事(内)、機械器具設置工事(機)、熱絶縁工事(絶)、電気通信工事(通)、造園工事(園)、さく井工事(井)、建具工事(具)、水道施設工事(水)、消防施設工事(消)、清掃施設工事(清)、解体工事(解)
《専任技術者の該当種類コード表》
一般建設業の場合
「1」・・・第7条第2号イ該当(指定学科卒業、3年または5年以上の実務経験)
「4」・・・第7条第2号ロ該当(10年以上の実務経験)
「7」・・・第7条第2号ハ該当(国家資格取得者等)
特定建設業の場合
「2」・・・第7条第2号イ及び第15号第2号ロ該当(2年以上の指導監督的実務経験)
「5」・・・第7条第2号ロ及び第15条第2号ロ該当(2年以上の指導監督的実務経験)
「8」・・・第7条第2号ハ及び第15条第2号ロ該当(2年以上の指導監督的実務経験)
「9」・・・第15条第2号イ該当(国家資格取得者等)
③有資格区分
大阪府建設業許可申請の手引き(2-26~2-29ページ)に掲載されている「専任技術者等の資格及びコード表」を参照してコードを記載します。(大阪府建設業許可の手引き)
新たに登録する専任技術者は「専任技術者証明書」の情報と一致すること
新たに追加する専任技術者は、以下のように「専任技術者証明書(様式第八号)」も必要です。
「専任技術者一覧表(様式第一号・別紙四)」と齟齬がないよう注意しましょう。
「専任技術者証明書(様式第八号)」については以下リンク記事で詳しく解説しています。
新たに登録する専任技術者は常勤性の確認資料が必要
専任技術者の定義は「営業所に常勤して専ら職務に従事する者」であり、一時的にでも常勤でなくなると専任技術者としては認められません。
「専任技術者一覧表(別紙四)」に記載した専任技術者について、立場・年齢に応じた必要書類を準備し、常勤性を証明しなければなりません。
ただし、業種を追加する申請(業種追加・般特新規)の時は、新たな業種を担当する専任技術者のみで問題ありません。
常勤性については、以下のリンク記事で詳しく解説しています。ぜひご参考にしてください。
最後に
「専任技術者一覧表(様式第一号・別紙四)」は、許可要件の中でも重要な人的要件、専任技術者を一覧にした書類です。
書類の作成自体は、建設工事の略号やコード、有資格区分等を手引きを見ながら行えば特に問題ありません。
申請前に他の法定書類との整合性を最終確認するようにしてください。
この記事の執筆者 金本 龍二(かねもと りゅうじ)|行政書士 アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。 ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、行政書士事務所を開設。 建設業専門の事務所として 近畿圏内の知事許可、大臣許可、経営事項審査、建設キャリアアップシステムをサポート。
|
当事務所では、大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理、その他経営事項審査や入札参加資格申請までサポート全般を承っております。建設キャリアアップシステムについても代行申請を全国対応で承っております。
ぜひお気軽にご相談ください。ご相談はお問合せフォームからお願いいたします。
Comentários