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【建設業許可】取得後にやるべきことまとめ|変更届・決算報告・技術者配置

  • 執筆者の写真: Ryuji Hemmi
    Ryuji Hemmi
  • 3 日前
  • 読了時間: 9分

建設業許可の取得後の義務

建設業許可を取得してひと安心…と思っていませんか?


実は、許可取得後には毎年の決算変更届や各種変更届の提出、技術者の配置義務、標識掲示など、継続して守るべきルールがあります。


これらを怠ると更新や経営事項審査等の申請に影響したり、場合によっては処分対象になる可能性もあるので、注意しなければなりません。


本記事では、許可取得後にまず押さえておくべき重要ポイントを整理します。



💡この記事のポイント ●建設業許可を取得した後も、毎年・随時の手続きが発生する

●役員変更や専任技術者の交代などは「変更届」の提出が必要(期限14日以内のものもある)

●決算終了後4か月以内に「決算変更届」の提出が義務付けられている

●現場には主任技術者・監理技術者の適正な配置が必要

●請負契約では一括下請負禁止や不当な取引の禁止などの規定を守る必要がある

●営業所・現場での許可票掲示、帳簿備付け・図書保存義務がある

●届出漏れは更新や経営事項審査の際に必ず確認される

●許可を維持するには、継続的な管理体制が不可欠



▼目次



まず押さえるべき「届出関係」


建設業許可業者は申請内容に変更があった場合、必ず許可行政庁に届出(変更届)をしなければなりません。


届出を怠った場合は罰則を受けたり、許可を取り消される可能性があるので注意しましょう。


変更届については別記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。


◎各種変更届、廃業届を提出する

経営業務の管理責任者の交代、専任技術者の追加、営業所の移転、役員の辞任、会社名や屋号の変更等、建設業者として許可行政庁が把握している内容に変更があった場合はほぼ届出が必要と考えておいた方が良いでしょう。


特に許可要件に直接関わるような変更は、提出期限が14日以内と短く規定されているので注意が必要です。


廃業届は許可を廃業(一部の業種のみ廃業することも含む)することで事業自体を廃業することではありません。


◎決算変更届を提出する

毎年の決算が終了した後、4ヵ月以内に決算内容を許可行政庁に対して報告しなければなりません。


建設業法に規定された財務諸表や工事経歴書等を提出します。


どのような経営状況にあるのか、どれほどの施工能力があるのかを外部に対して明らかにするための建設業許可業者の重要な義務です。



技術者の配置と専任の考え方


建設業許可業者は、監理技術者等(主任技術者・監理技術者)いわゆる資格者を持つ現場監督を現場に必ず配置しなければなりません。


許可を受けた建設業者である以上、監理技術者等に現場を管理させ、適正な施工を確保しなければならないのです。


監理技術者等は専任技術者と同等の資格・経験が求められるので、人員を確保するのが簡単ではありません。


専任技術者が兼務できる現場だけであれば問題ありませんが、現場の数が増えてくるとそういうわけにもいかないでしょう。


●主任技術者

元請・下請関係なく配置しなければなりません(※限定的な例外あり)。


●監理技術者

特定建設業者が元請として下請発注金額5,000万円(建築一式の場合は8,000万円)以上となる現場では、主任技術者に代えて監理技術者を配置しなければなりません。


監理技術者等の専任が必要な現場(請負金額4,500万円以上等)でなければ、専任技術者が兼務することが可能です。


その他、同一人物が2現場以上の監理技術者等を兼任することも一定条件を満たせば可能です。


監理技術者等の配置義務や専任義務は以前から緩和の方向で議論が進められており、今後の動向が気になるところです。



契約・下請に関する基本ルール


「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない。」(建設業法第18条)という原則のもと、建設業法に様々な規定が置かれています。


共通的な規定と元請・下請関係における規定とに分けて説明します。


◎共通的な規定

請負契約の通則として定められている規定の内、特に重要なものを説明します。


・建設業法第19条の3/「不当に低い請負金額の禁止」

取引上の地位を利用して、例えば原価を下回るような請負代金で契約することは禁止されています。


施主も含めた注文者すべてに対しての規定です。


・建設業法第19条の4/「不当な使用資材等の購入強制の禁止」

請負契約を締結した後に、取引上の地位を利用して、資材や機械器具の購入先を指定して強制的に請負人に購入させるようなことはことは禁止されています。


施主も含めた注文者すべてに対しての規定です。


・建設業法第19条の5/「著しく短い工期の禁止」

注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間よりも著しく短い工期を設定して請負契約を締結することは禁止されています。


施主も含めた注文者すべてに対しての規定です。


・建設業法第22条/ 「一括下請負の禁止」

請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせること(丸投げ)は禁止されています。


もちろん、許可を受けていない建設業者に対しても、請け負うことを禁止する規定が置かれています。


多数の者が利用する施設を新築する工事以外であれば、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た時は一括下請負は許容されます。公共工事の場合は一切認められません。


◎元請・下請関係における規定

元請と下請の関係だけに限られた規定も重要です。


・建設業法第24条の3/「下請代金の支払」

元請負人が注文者から出来高払いまたは完成払いを受けたときは、下請負人に対して1ヵ月以内で、かつ、できる限り短い期間内において期日を定めて、下請代金を支払わなければなりません。


その内、労務費については現金で支払うよう配慮しなければなりません。


また、元請負人は注文者から前払金の支払いを受けたときは、下請負人に対して工事着手に必要な費用を支払うよう配慮しなければなりません。


・建設業法第24条の4/「検査及び引渡し」

元請負人は下請負人から工事完成の連絡を受けたときは20日以内に完了確認検査を行わなければなりません。


下請負人から申し出があった場合は引き渡しを受けなければなりません。


・建設業法第24条の5/「不利益取扱いの禁止」

元請負人は、下請負人が元請負人の違反を許可行政庁等に報告したことを理由に不利益な扱いをしてはなりません。


・建設業法第24条の6/「特定建設業者の下請代金の支払期日等」

特定建設業者は、工事完成の確認後、下請負人から引渡しの申出があったときは、申出の日から50日以内で、かつ、できる限り短い期間内に下請代金を支払わなければなりません。


特定建設業者が注文者から支払いを受けているかどうかは関係ありません。


・建設業法第24条の7/「下請負人に対する特定建設業者の指導等」

発注者から直接工事を請け負った特定建設業者は、下請負人が工事の施工に関し、法令違反がないように指導に努めなければなりません。


・建設業法第24条の8/「施工体制台帳及び施工体系図の作成等」

特定建設業者が発注者から直接工事を請け負った場合において、下請発注金額が4,500万円(建設工事業にあっては7,000万円)以上になるときは、現場ごとに施工体制台帳を備え付け、施工体系図を見やすい場所に掲示しなければなりません。


公共工事においては施工体制台帳の提出が必要になります。



標識掲示・帳簿保存


標識というのは、許可票とよばれる看板のことです。これはご存知の方も多いのではないでしょうか。


営業所と現場(発注者から直接請け負った元請のみ)の見えやすいところに許可業者であることがわかるように掲示しなければなりません。


逆に許可を受けていない業者が許可業者であるかのような紛らわしい掲示も禁じられています。


その他、帳簿の備え付けや工事完成図書等の保存義務があります。


◎標識を掲示する義務

許可票は金看板と呼ばれることもありますが、色・素材は何でも構いません。


一方、サイズと記載事項は明確に決められています。


●サイズ

営業所:たて35㎝以上、よこ40㎝以上

現場:たて25㎝以上、よこ35㎝以上


●記載事項

1.一般建設業または特定建設業の別

2.許可年月日、許可番号、許可を受けた業種

3.商号または名称

4.代表者の氏名

5.主任技術者または監理技術者の氏名


営業所は1から4まで、現場は1から5までを記載しなければなりません。


◎帳簿の備え付け、営業に関する図書の保存の義務

営業所ごとに、営業に関する事項を記載した帳簿を備え付けなければなりません。


保存期間は5年とされ、記載すべき事項は建設業法施行規則(26条1項)に定められています。


契約書や領収書等も帳簿に添付しておく必要があります。


発注者から直接工事を請け負った場合は、営業に関する図書を10年間保存しなければなりません。


営業に関する図書とは完成図書、打合せ議事録、施工体系図のことを言います。



許可取得後の手続きは毎年・随時発生します。


変更届や決算変更届の提出状況は、更新や経営事項審査の際に必ず確認されます。


実際に、届出漏れが原因で更新時に慌てるケースも少なくありません。


許可を維持し続けるためには、継続的な管理が不可欠です。



最後に


建設業の許可を取得すると、義務が増えて窮屈に思えるかもしれません。


しかし、本来、建設業は許可を受けて営業しなければならないものであって、請負金額500万円未満の工事のみであれば、例外的に許可を受けていなくても営業ができるという建付けであるということを忘れてはなりません。


そして、義務と言われると面倒に感じるかもしれませんが、なにか問題があったときには自らを守るものともなります。


変更届、監理技術者等の配置、請負契約の規定遵守、標識掲示・帳簿備え付けといった義務を1つ1つ漏れのないように対応していきましょう。



この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP


当事務所では、大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理、その他経営事項審査や入札参加資格申請までサポート全般を承っております。


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