「建設業許可申請書(様式第一号」は、新規申請だけでなく、どの申請区分においても必要となる重要な書類です。許可取得後は、誰でも閲覧できる書類の1つとして許可行政庁に保管されます。
許可を受けようとする業種や申請者の基礎情報を記載するだけの書類ですが、細かな記載ルールがあるので注意しましょう。
ポイントを絞って解説していますので、ぜひご参考にしていただければと思います。
(都道府県によりルール等異なる部分があるので、大阪府以外での申請時は事前に確認するようお願いします。)
建設業許可申請書(様式第一号)は、どの申請区分でも必ず提出しなければならない書類
建設業許可申請において基本となる書類なので、更新や業種追加などの場合にも必要になります。
この書類で申請区分がわかるので、当然といえば当然のことでしょう。
書類は大阪府HPの様式等ダウンロードページからダウンロードできます。
建設業許可申請書(様式第一号)の記載例・記載ルール
以下、記載例をもとに重要部分を説明しています。複雑なルールではありませんが、ルール通りに記載していなければ窓口で修正を求められる場合があるので注意しましょう。
(記載例)
①申請者
登記されている住所と実際に営業している住所が異なる場合は、2段書きします。
法人設立時には自宅住所で登記していたけれど、実際の営業活動は別の場所に借りた事務所で行っている場合や実際の住所はオフィスビルの1室で号室まで含まれているけれど、登記上は番地までしか含まれていない場合などが考えられます。
②許可の有効期間の調整
すでに何らかの業種で建設業許可を受けていて、新たに許可業種を追加する場合や有効期限の異なる許可業種を更新する場合などに有効期間を調整してまとめることができます。これを許可の一本化とも言います。
許可の1本化を行う場合は「1」と記載します。
許可の1本化については、別記事で詳しく解説しています。(建設業許可の更新・業種追加の際は「許可の一本化」がオススメ!)
③許可を受けようとする建設業・申請時において既に許可を受けている建設業
新規の場合は、「許可を受けようとする建設業」の該当業種の欄に一般建設業であれば「1」特定建設業であれば「2」と記載します。
一般建設業と特定建設業については、別記事で詳しく解説しています。(「特定建設業許可があれば何ができる?一般建設業許可との違いや取得難易度を解説」)
(業種の表記)
土:土木工事業、建:建築工事業、大:大工工事業、左:左官工事業、と:とび・土工工事業、石:石工事業、屋:屋根工事業、電:電気工事業、管:管工事業、タ:タイル・れんが・ブロック工事業、鋼:鋼構造物工事業、筋:鉄筋工事業、舗:舗装工事業、しゅ:しゅんせつ工事業、板:板金工事業、ガ:ガラス工事業、塗:塗装工事業、防:防水工事業、内:内装仕上工事業、機:機械器具設置工事業、絶:熱絶縁工事業、通:電気通信工事業、園:造園工事業、井:さく井工事業、具:建具工事業、水:水道施設工事業、消:消防施設工事業、清:清掃施設工事業、解:解体工事業
業種追加や更新等、すでに許可を受けている場合は、「申請時において既に許可を受けている業種」の該当箇所にも「1」または「2」を記載します。
すでに土木工事業(一般)ととび・土工工事業(一般)の許可を受けている業者が更新の際に鋼構造物工事業を追加する場合は、以下のようになります。
④商号又は名称のフリガナ
濁点は1文字として扱わず1マスにまとめて記載します。
商号、名称に「・」中点等の記号があってもフリガナ欄には記載しません。
⑤商号又は名称
法人の場合、株式会社等は、略号で記載します。
株式会社:(株)、有限会社:(有)、合同会社:(合)、等
⑥代表者又は個人の氏名のフリガナ・代表者又は個人の氏名
姓・名の間は1マス空けます。
個人で支配人を置いている場合は、支配人の氏名も記載します。
支配人とは「個人事業主にかわって営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限をなす使用人」とされています。いわゆる番頭さんのような立場です。支配人として登記されていなければなりません。
⑦主たる営業所の所在地市区町村コード
手引きに記載されている市区町村コード表を参考に記載します。
大阪府知事コードは「27」なので、後ろの3ケタが市区町村によって異なります。
⑧主たる営業所の所在地
住所番地の「丁目、番、号」等はハイフンで記載します。
記載例のように「10丁目10番5号」の場合、「10-10-5」となります。
⑨ファックス番号
ない場合は、「無し」と記載します。
⑩資本金額又は出資総額・法人番号
個人の場合は記載する必要がありません。
法人番号は商業登記簿謄本に記載されている法人番号(12桁)の前にあと1桁数字が入ります。
法人番号検索サイトで確認できます。
⑪兼業の有無
兼業を行っている場合は、具体的な業種まで記載します。
⑫許可換え区分
申請区分が許可換えの場合は、現在の許可番号等を記載します。
申請区分については、別記事で詳しく解説しています。(建設業許可の申請区分ごとの費用・必要書類を解説【大阪府知事許可】)
申請書類の表紙への記載も間違いのないように注意する
申請する際には申請書類一式の頭に表紙を付けなければなりません。
閲覧書類と非閲覧書類それぞれに所定の表紙があります。
非閲覧書類の表紙は特に気を付ける箇所はありませんが、閲覧書類の表紙は建設業許可申請書(様式第一号)と整合していなければなりません。
①申請の区分
該当の区分に○をつけます。申請前に建設業許可申請書(様式第一号)の「許可を受けようとする建設業・申請時において既に許可を受けている建設業」の箇所が○をつけた申請区分に合致した書き方になっているか確認するようにしましょう。
②許可業種
該当業種に「○」をつけます。建設業許可申請書(様式第一号)のように「1」「2」と記載しないように注意しましょう。
③営業所所在地・商号又は名称等
建設業許可申請書(様式第一号)と同じように記載します。
④担当者・申請代理人
申請に行く人の名前を記載します。会社内部の人ではなく、代理人が申請する場合は、必ず委任状が必要になります。なお、行政書士でない者が他人の依頼を受け、報酬を受け、業として提出書類を作成することは法律違反となります。
最後に
大阪府知事許可における建設業許可申請書(様式第一号)の記載ルールについて解説してみました。
他にも申請に必要な書類は20種類程度あるので、慣れないうちは申請書類作成にかなり時間がかかってしまうかもしれません。
時間に余裕のある方は当事務所の他記事も参考にしながら申請書類作成にチャレンジしてみてください。
書類全般に関してですが、多少の間違いであれば、申請窓口で修正することも可能ですが、あまりに修正箇所が多かったり、その場で確認できない事項が漏れていたりすると再申請という可能性もあります。
貴重な時間を失いたくないという方は、事前に専門家に相談する方が良いでしょう。
この記事は行政書士が執筆・監修しています。 アールエム行政書士事務所/代表/金本 龍二(かねもと りゅうじ) 本記事は建設業に特化した事務所の行政書士が執筆・監修しています。 行政書士の詳しいプロフィールはこちら |
当事務所では、大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理、その他経営事項審査や入札参加資格申請までサポート全般を承っております。建設キャリアアップシステムについても代行申請を全国対応で承っております。
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