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建設業許可「管工事業」完全ガイド|工事範囲・許可要件・申請実務を解説

  • 執筆者の写真: Ryuji Hemmi
    Ryuji Hemmi
  • 1月21日
  • 読了時間: 8分

建設業許可の管工事業の許可を取る方法

管工事業は、空調設備・給排水設備・衛生設備など、建物の機能を支える設備工事を担う専門工事業種です。


一般住宅から商業施設、工場、公共施設まで施工対象が幅広く、建設業の中でも完成工事高・許可業者数ともに多い業種として位置づけられています。


一方で、エアコン設置工事や配管工事など、他業種と工事内容が接する場面もあり、業種区分や許可の要否を正しく理解しないまま工事を行っているケースも見受けられます。


本記事では、管工事業の位置づけ、該当する工事内容、建設業許可が必要となるケース、専任技術者の要件や申請手続きまでを、行政書士が実務目線でわかりやすく解説します。


💡この記事のポイント

●管工事業は建物設備を支える専門工事業種

●エアコン設置工事は原則として管工事に該当

●電気工事が付帯工事として発生することが多い

●電気工事を行う場合は資格・電気工事業登録が必要

●指定建設業のため特定建設業の要件には注意が必要





▼目次



管工事業の位置づけ


管工事業とは、冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を、金属製等の管を用いて設置する工事を対象とする建設業の業種です。


管工事業の特徴は、建物の利用や安全性、快適性に直結する設備工事を担う点にあります。


住宅設備工事から、ビル・工場・病院・公共施設における大規模な設備工事まで、建築設備分野を広くカバーします。


管工事業は他の設備系業種と工事が接することもありますが、建設業法上の業種区分が工事の主たる内容によって判断されます。



管工事業に該当する工事とは


管工事業に該当する代表的な工事には、次のようなものがあります。


・家庭用・業務用エアコンの設置工事

・空調設備工事

・給水・給湯・排水設備工事

・衛生設備工事(トイレ・洗面・厨房設備等)

・換気設備工事

・ガス配管工事


これらはいずれも、建物内において水・空気・ガスなどを適切に供給・排出するための設備を構築する工事であり、管工事業の中核をなす分野です。


管工事は、特定の設備だけを施工する業種ではなく、建物の用途や規模に応じて複数の設備工事が組み合わさって一体として施工される点に特徴があります。



管工事業と他業種との関係


●電気工事業との関係

エアコン設置工事は管工事に該当しますが、付帯工事として電気工事が発生することが多く、誤って電気工事と認識されるケースがあります。


ただし、実際に電圧切替や配線工事を行う場合には、電気工事士の資格、電気工事業法に基づく電気工事業の登録が必要となるため注意が必要です。これは付帯工事であっても例外ではありません。


●水道施設工事業との関係

管工事業は建築設備としての給排水設備工事を対象とするのに対し、水道施設工事業は上下水道本管など公共インフラを対象とする業種です。


両者は施工対象が異なり、本来、業種判断に迷うものではありませんが、誤って認識されていることがよくあります。


●消防施設工事業との関係

消防施設工事に配管工事が含まれることはありますが、消防・防災機能の設置が主となる工事では消防施設工事業が必要となり、配管工事は付帯工事として扱われます。


消防法上の位置づけが明確なため、業種判断に迷うケースはほとんどありません。



管工事業で建設業許可が必要となるケース


管工事業で建設業許可が必要となるのは、1件の請負金額が500万円以上(税込)の管工事を請け負う場合です。この請負金額には、材料費・運送費等も含まれます。


契約書や請求書を分割していても、実態として一つの工事であれば合算して判断されます。


また、一般建設業許可の場合には、元請として下請に発注できる金額に制限(5,000万円未満、建築一式工事は8,000万円未満)がありますが、請負金額自体に上限はありません。



管工事業 許可取得の6つの要件


管工事業の建設業許可を取得するためには、次の6つの要件をすべて満たす必要があります。


経営業務の管理責任者…建設業での経営経験5年以上が基本。法人なら役員、個人なら本人。


専任技術者…国家資格(施工管理技士、給水設置工事主任技術者など)


財産的基礎…自己資本500万円以上、または500万円以上の預金残高証明。


誠実性・欠格要件…虚偽申請や行政処分歴、暴力団関係等がないこと。


営業所…実体を備えた事務所があること(机・電話・商号掲示など)。


社会保険等…法律上加入義務のある保険に加入していること(社会保険・労働保険)


この中でも、管工事業で特に重要なのが「専任技術者」要件です



専任技術者の資格・実務経験


管工事業は指定建設業に該当するため、専任技術者要件には注意が必要です。


【主な国家資格】

・1級管工事施工管理技士

・2級管工事施工管理技士

・技術士(機械部門、上下水道部門、衛生工学部門 等)

・建築設備士

・各種技能検定(給排水衛生設備配管、冷凍空気調和機器施工 等)


【実務経験】

エアコン設置工事、空調設備工事、給排水設備工事など管工事に該当する工事の経験が必要となり、原則として10年以上の実務経験が求められます。


実務経験で申請する場合は、工事内容が確認できる請負契約書や注文書・請書などの証拠書類を一定期間分準備する必要があります。


なお、特定建設業許可の場合は、実務経験での専任技術者要件充足は認められず、「1級管工事施工管理技士」または「技術士」の資格に限られます。



許可申請の流れと提出書類


1️⃣ 証明書類の準備

・経営業務の管理責任者の経営経験を証明する書類

・専任技術者の資格証明書・実務経験証明書

・財産的基礎を示す財務諸表・残高証明書


2️⃣ 申請書類の作成

・新規・業種追加・般特新規に応じて作成

・新規申請では約20種類前後


3️⃣ 行政庁窓口への申請

・知事許可:申請手数料9万円

・大臣許可:登録免許税15万円

・審査期間:約30日(大阪府の場合)



なぜ管工事業は建設業許可を取得しておくべき業種なのか


管工事業は、空調設備・給排水設備・衛生設備など、建物の利用や安全性を維持するために不可欠な設備工事を担う業種です。


これらの設備は建物完成時だけでなく、使用開始後も改修・更新・維持管理が継続的に発生するため、長期的な需要が見込まれる分野といえます。


また、管工事は建築工事や内装工事の附帯工事として発注されることも多く、元請業者や施主からは工事の規模に関わらず建設業許可を保有していることを前提条件とされるケースが少なくありません。


特に公共工事や大型民間工事では、下請で入る場合でも建設業許可を求められることが一般的であり、許可がないことで受注機会を逃す可能性もあります。


管工事業は、法令・設備基準・インフラと密接に関わる業種であるため、建設業許可を取得しておくことは、単なる信用力の向上にとどまらず、安定した受注体制を構築するうえでの必須要件といえるでしょう。



最後に


管工事業は施工範囲が広く、資格や法令との関係も複雑な業種です。


要件を満たしているつもりでも、証明書類の不足や業種区分の誤解により、許可取得を断念するケースも少なくありません。


自社の工事内容で管工事業の建設業許可が必要か、要件を満たしているか不安な場合は、早めに専門家へ相談することでスムーズに手続きを進めることができます。



この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP

当事務所では大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理を承っております。


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