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防水工事業の建設業許可|塗装工事の許可があれば足りる?要件・申請手順を解説

  • 執筆者の写真: Ryuji Hemmi
    Ryuji Hemmi
  • 5月15日
  • 読了時間: 11分

建設業許可で防水工事業の許可を取る方法

外壁や屋根の塗装工事を行う事業者は、シーリング工事や塗膜防水などの防水工事もあわせて行うことがあります。


塗装工事業の建設業許可があれば、防水工事も請け負えると思われがちですが、防水工事をメインとする場合や、防水工事を独立した工事として請け負う場合、防水工事業の建設業許可が必要になる可能性があります。


防水工事業は、塗装工事業と関係が深い業種です。しかし、シート防水やアスファルト防水などは、塗装工事の延長として一律に扱えるものではありません。


この記事では、防水工事業に該当する工事、塗装工事業の許可で足りるのか、防水工事業で建設業許可が必要となるケース、許可取得の要件、専任技術者の資格・実務経験、申請手順についてわかりやすく解説します。



建設業許可の問合せ先


💡この記事のポイント

・シーリング工事、塗膜防水、シート防水、アスファルト防水などが防水工事業に該当。

・塗装工事に付随する範囲を超え、独立した防水工事として請け負う場合は、防水工事業の許可が必要。

・1件の請負代金が500万円以上となる防水工事を請け負うには、建設業許可が必要。

・資格がない場合でも防水工事の実務経験を資料で証明できれば許可取得が可能。



▼目次



防水工事業で許可取得を検討すべきタイミング


防水工事業の建設業許可は、単に「500万円以上の工事を請け負うため」だけのものではありません。


受注できる工事の幅を広げ、元請会社や取引先からの信用を高めるためにも重要です。


具体的に、次のような状況に当てはまる場合は、防水工事業の建設業許可取得を検討するタイミングといえるでしょう。


・500万円以上の防水工事を請け負う可能性がある

・防水改修工事などを単独で請け負うことが増えてきた

・外壁塗装やリフォーム工事とあわせて防水工事を請け負うことが多い

・マンション、ビル、工場、店舗など規模の大きな改修工事を受注したい

・元請会社や管理会社から建設業許可の有無を確認されることが増えてきた

・将来、公共工事や大規模修繕工事への参入を視野に入れている



 防水工事業で建設業許可が必要になるケース


防水工事業で建設業許可が必要になるのは、1件の請負代金が500万円以上となる防水工事を請け負う場合です。


この500万円は、消費税込みの金額で判断します。また、注文者から材料を支給される場合でも、その材料の市場価格や運送費を含めて判断する点に注意が必要です。


契約書や請求書を分割しても、実態として1つの工事であれば、合計金額で判断されます。


たとえば、マンションやビルの屋上防水、外壁目地のシーリング、ベランダ防水などをまとめて請け負う場合、請負金額が500万円以上となることがあります。


特に、大規模修繕工事や改修工事に関わる防水工事では、500万円基準を超える可能性があるため注意が必要です。



防水工事業とは|シーリング・塗膜防水・シート防水などが該当


防水工事業とは、アスファルト、モルタル、シーリング材などによって防水を行う工事をいいます。


代表的なものとして、アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事などがあります。


対象となるのは建築系で、屋上防水、ベランダ防水、バルコニー防水、外壁目地のシーリング、浴室まわりの防水などが問題になることがあります。


一方で、トンネル防水工事などの土木系の防水工事は、防水工事業ではなく、とび・土工・コンクリート工事に該当するとされています。


塗装工事業の許可で防水工事も請け負えるのか


防水工事業と塗装工事業は、外壁改修やリフォーム工事の現場で一緒に行われることが多い業種です。


そのため、塗装工事業の建設業許可を持っていれば、防水工事も当然に請け負えると考えてしまうことがあります。


しかし、塗装工事業と防水工事業は、建設業許可上は別の業種です。


塗装工事に付随して簡易な防水補修を行う場合と、防水工事として独立して請け負う場合とでは、判断が変わります。


屋上防水、ベランダ防水などを継続的に請け負っている場合は、防水工事業の許可取得も検討した方がよいでしょう。



防水工事業の許可取得の6つの要件


防水工事業の建設業許可を取得するためには、次の6つの要件をすべて満たす必要があります。


経営業務の管理責任者…建設業での経営経験5年以上が基本。法人なら役員、個人なら本人。


専任技術者…国家資格(施工管理技士、防水施工技能士など)または実務経験10年以上。


財産的基礎…自己資本500万円以上、または500万円以上の預金残高証明。


誠実性・欠格要件…虚偽申請や行政処分歴、暴力団関係等がないこと。


営業所…実体を備えた事務所があること(机・電話・商号掲示など)。


社会保険等…法律上加入義務のある保険に加入していること(社会保険・労働保険)


この6つの中でも、実務上とくに重要になるのが専任技術者の要件です。


防水工事業では、保有資格で判断できる場合もあれば、実務経験の内容や年数を丁寧に整理しなければならない場合もあります。



 専任技術者の資格・実務経験


防水工事業では、専任技術者の要件が実務上の大きなポイントになります。


専任技術者になる方法には、資格で証明する方法と、実務経験で証明する方法があります。


防水工事業では、建築施工管理技士や技能検定「防水施工」などの資格が対象になります。ただし、資格の種類によっては、合格後に一定年数の実務経験が必要となるものもあります。


資格を持っていない場合でも、防水工事に関する実務経験を証明できれば、一般建設業の専任技術者になれる可能性があります。


ただし、実務経験で申請する場合、許可を取れるかどうかは「実務経験を証明できる資料が残っているか」が大きなポイントになります。


【主な資格】

・1級建築施工管理技士

・2級建築施工管理技士(仕上げ)

・技能検定「防水施工」1級・2級


なお、技能検定2級については、合格しているだけでは足りず、合格後3年以上の実務経験が必要です。


上記のほか、所定の施工管理技士補などについて、3年または5年の実務経験をあわせて求められるパターンもあります。


【実務経験】

資格がない場合でも、防水工事に関する実務経験が10年以上あれば、一般建設業の専任技術者になることができます。


ここでいう実務経験とは、単なる補助作業や雑務ではなく、防水工事の施工に関する技術上の職務経験をいいます。


たとえば、現場管理、施工、段取り、工程管理など、防水工事の施工に関わる経験が対象になります。


◎指定学科による実務経験期間の短縮

指定学科を卒業している場合は、必要な実務経験年数を短縮できます。

・大学、短期大学、高等専門学校などで指定学科を卒業した場合:実務経験3年

・高校などで指定学科を卒業した場合:実務経験5年

防水工事業の指定学科は、土木工学または建築学に関する学科です。


●特定建設業の場合

特定建設業では、一般建設業よりも要件が厳しくなります。


防水工事業で特定建設業許可を取得する場合、一般建設業の専任技術者要件を満たすだけでは足りないケースがあります。


一定の国家資格を持っている場合を除き、発注者から直接請け負った一定金額以上の工事について、2年以上の指導監督的実務経験が必要になります。


一般建設業と特定建設業では、専任技術者に求められる要件が異なるため、元請として大規模工事を請け負う予定がある場合は注意が必要です。


●実務経験で申請する場合の注意点

実務経験で申請する場合は、経験年数だけでなく、それを客観的に証明できるかが重要です。


請負契約書、注文書・請書、請求書、入金資料などを用いて、工事内容、工事期間、請負関係、経験者の立場などを確認できるようにしておく必要があります。


特に、資格を持っていない防水工事業者の場合、「10年以上防水工事をしてきた」という実態があっても、資料が残っていなければ実務経験を証明できないことがあります。


実務経験で許可申請を考える場合は、過去の工事資料がどの程度残っているかを早めに確認しておくことが重要です。



許可申請の流れと提出書類


防水工事業の建設業許可申請は、他の業種と同様に、要件を確認し、証明書類を準備したうえで、申請書類を作成して行政庁へ提出する流れで進みます。


もっとも、実際には申請書を作る前に、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件を満たしているか、証明資料がそろうかを確認することが重要です。


申請の流れは、大きく次の3段階です。


1️⃣ 証明書類の準備

・経営経験を示す書類(確定申告書・履歴事項全部証明書・工事契約書など)

・専任技術者の資格を証明する合格証書または実務経験証明書・工事契約書など

・財産的基礎を示す財務諸表や残高証明書


2️⃣ 申請書類の作成

・申請区分(新規・業種追加・般特新規)に応じて作成

・約20種類の書類を正本・副本で提出


3️⃣ 行政庁窓口への申請

知事許可:申請手数料9万円(更新5万円)

大臣許可:登録免許税15万円(更新5万円)

審査期間:約30日(大阪府の場合)



防水工事業の許可を取得するメリット


防水工事業の建設業許可を取得することで、単に500万円以上の工事を請け負えるようになるだけでなく、受注できる工事の幅や対外的な信用力の面でも大きなメリットがあります。


元請・取引先からの信用力が高まる

防水工事は、建物の雨漏り防止や耐久性に直結する重要な工事です。


そのため、元請会社や施主、管理会社などは、施工実績だけでなく、施工体制や許可の有無を確認することがあります。


建設業許可を取得していることで、一定の要件を満たした事業者であることを示すことができ、取引先からの信用向上につながります。


マンション・ビル・工場など大型案件に対応しやすくなる

防水工事業の許可があると、戸建て住宅のベランダ防水や小規模補修だけでなく、マンション、ビル、工場、店舗、倉庫など、規模の大きな防水工事にも対応しやすくなります。


特に、屋上防水、外壁目地のシーリング、バルコニー防水、塗膜防水、シート防水などをまとめて請け負う場合、工事全体の規模が大きくなりやすいです。


建設業許可を取得しておくことで、これまで受注を見送っていた案件や、元請から相談された大型案件にも対応しやすくなります。


大規模修繕工事や改修工事に関わりやすくなる

防水工事は、マンションやビルの大規模修繕工事、外壁改修工事、屋上改修工事などで必要になることが多い工事です。


防水工事業の許可を取得しておくことで、塗装工事やリフォーム工事だけでなく、大規模修繕工事や改修工事の中で、防水工事を担当しやすくなります。


元請会社や管理会社との取引を広げたい場合にも、防水工事業の許可は営業上の強みになります。


公共工事や大規模案件への入口になる

防水工事業の許可があれば、将来的に経営事項審査や入札参加資格申請を経て、公共工事に関わる道も開けます。


公共施設、学校、庁舎、公営住宅などでは、屋上防水や外壁改修に伴う防水工事が発注されることがあります。


すぐに公共工事を目指す予定がない場合でも、建設業許可を取得しておくことで、将来的な事業展開の選択肢を広げることができます。



最後に


防水工事業は、シーリング工事、塗膜防水、シート防水、アスファルト防水など、建物を風雨や地下水から守るための重要な工事です。


外壁塗装やリフォーム工事とあわせて施工されることも多いですが、防水工事をメインとする場合や、防水工事を独立した工事として請け負う場合には、防水工事業の建設業許可が必要になる可能性があります。


資格がない場合でも、過去の防水工事の実務経験を証明できれば、防水工事業の許可を取得できる可能性があります。


ただし、実務経験で申請する場合には、注文書、請求書、契約書、入金資料などの確認が重要です。


大阪府で防水工事業の建設業許可を取得したい方は、早めに要件確認と資料確認を進めましょう。




この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP

当事務所では大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理を承っております。


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