建設業許可「機械器具設置工事業」完全ガイド|範囲・他業種との違い・要件を徹底解説
- Ryuji Hemmi

- 13 時間前
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機械器具設置工事業は、工場の生産設備や各種プラント、昇降設備などの「機械・設備を組立・設置する」ことを目的とした業種です。
工事の専門性が高く、専任技術者要件のハードルも高いため、建設業許可を取得している業者はそれほど多くありません。
一方で、機械器具設置工事は、電気工事・管工事・電気通信工事などと工事内容が重なりやすく、「どの許可が必要か」で判断に迷いやすい業種でもあります。
本記事では、機械器具設置工事業の工事範囲/他業種との違い(実務判断)/許可が必要となるケース/許可取得の要件と手続き/専任技術者(実務経験)のポイントを、行政書士がわかりやすく解説します。
💡この記事のポイント ●機械器具設置の「該当/非該当」を判断する軸 ●電気・管・電気通信など他業種との境界線 ●500万円基準(機械代も含む)の注意点 ●専任技術者と証明資料の集め方 ●許可取得で元請・大型案件の受注条件を満たしやすい |
▼目次
9.最後に

機械器具設置工事業の位置づけ
機械器具設置工事業とは、機械器具の組立てや据付け等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取り付ける工事を対象とする建設業の業種です。
工場設備や各種プラント、昇降設備など、機械・設備を現場に据え付ける工事を担う業種として位置づけられています。
一方で、機械器具設置工事業は、電気工事業や管工事業、建築工事業などと工事内容が重なりやすく、業種区分の判断が難しい業種であることも特徴です。
そのため、工事内容によっては、機械器具設置工事業に該当するかどうかを慎重に確認する必要があります。
機械器具設置工事に該当する工事とは
機械器具設置工事業に該当するかどうかは、工事名や作業内容だけで機械的に判断されるものではありません。
工事全体の目的や内容、施工方法等を総合的に見て、機械・設備の据付が工事の中心と評価されるかどうかにより判断されます。
実務上、次のような工事は、機械器具設置工事業として整理されることが多い代表例です。
・工場の生産設備・製造ラインの据付工事
・各種プラント設備の設置工事
・立体駐車設備の設置工事
・エレベーター・エスカレーター等の昇降設備設置工事
・劇場・ホール・ライブハウス等の舞台機構設備の設置工事
・重量物・精密機械の搬入・据付・組立・調整を一体で行う工事
単に機械を扱っているからといって、必ずしも機械器具設置工事業に該当するわけではありません。
・機械そのものの製作
・機械の配線工事や配管工事のみ
・機械や重量物を単に搬入、設置するのみ
といった業務は、原則として機械器具設置工事業には該当しません。
機械器具設置工事業と他業種との違い
機械器具設置工事業は、電気工事業・管工事業・電気通信工事業などと工事内容が重なりやすい業種です。
そのため、業種区分は一律に判断できるものではなく、工事の内容・目的・施工方法等を総合的に判断されます。
実務上は、次のような視点で整理されることが一般的です。
・電気工事業
→配線・結線・受電設備等の施工が工事の中心となる場合
・管工事業
→配管・ダクト・給排水・空調設備工事が中心となる場合
・電気通信工事業
→無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備工事中心となる場合
・機械器具設置工事業
→機械・設備を据え付け、機能させることが工事全体の目的として評価される場合
同一の現場で複数の工事が行われていたとしても、どの工事が中心となっているか、それぞれが独立した工事として評価できるかといった点を踏まえて判断されます。
機械器具設置工事業で建設業許可が必要となるケース

機械器具設置工事業で建設業許可が必要となるのは、1件の請負金額が500万円以上(税込)となる工事を請け負う場合です。この500万円には、機械・設備本体の費用や運搬費などの付随費用も含まれます。
特に機械器具設置工事では、機械本体の金額が高額になりやすく、工事費と合算すると500万円を超えるケースが非常に多いという点に注意が必要です。
また、契約書や請求書を分割していても実態として1つの工事であれば合算して判断されます。
なお、請負金額が500万円未満であっても、
・元請業者から建設業許可の提示を求められる
・公共工事や大型設備案件に参入する
といった場面では、実務上、許可が必須となるケースがほとんどです。
機械器具設置工事業 許可取得の6つの要件
機械器具設置工事業の建設業許可を取得するためには、次の6つの要件をすべて満たす必要があります。
経営業務の管理責任者…建設業での経営経験5年以上が基本。法人なら役員、個人なら本人。
専任技術者…国家資格(技術士など)または実務経験10年以上。
財産的基礎…自己資本500万円以上、または500万円以上の預金残高証明。
誠実性・欠格要件…虚偽申請や行政処分歴、暴力団関係等がないこと。
営業所…実体を備えた事務所があること(机・電話・商号掲示など)。
社会保険等…法律上加入義務のある保険に加入していること(社会保険・労働保険)
機械器具設置工事業では、「実務経験ルート」での申請が多く、証明資料の精度が結果を左右します。
専任技術者の資格・実務経験(最重要ポイント)
機械器具設置工事業では専任技術者の要件が特に厳しく、ここが許可取得の最大のハードルとなることが少なくありません。
1.国家資格による要件
機械器具設置工事業において、唯一、資格のみで要件を満たせる国家資格は次のとおりです。
・技術士(機械部門)
・技術士(総合技術監理部門「機械」)
この資格を保有していれば、一般建設業・特定建設業のいずれにおいても専任技術者になることが可能です。
他にも建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士いずれかの資格と機械器具設置工事に関する実務経験(1級であれば3年、2級であれば5年)で専任技術者になる方法があります(一般建設業のみ)。
2.実務経験による要件
多くのケースでは、機械器具設置工事に関する実務経験で要件を満たすことになります。
実務経験とは、機械器具設置工事の施工に関する技術上のすべての職務経験を指し、単なる補助作業や雑務のみでは認められません。原則として、10年以上の実務経験が必要です。
◎実務経験期間の短縮
以下の指定学科を修了している場合、実務経験期間を短縮することができます。
大学:実務経験3年
高校:実務経験5年
〈指定学科〉
建築学・機械工学・電気工学に関する学科
◎証明資料の注意点
実務経験で申請する場合は、工事内容が「機械器具設置」と分かる請負契約書、注文書・請書、工事請求書等を10年分揃える必要があります。
別途、仕様・工程等が確認できる資料を求められることもあるので、事前相談する方が望ましいです(大阪府の場合)。
許可申請の流れと提出書類
機械器具設置工事業の許可申請は、次の流れで進みます。
1️⃣ 証明書類の準備
・経営業務の管理責任者の経営経験を証明する書類
・専任技術者の資格証明書または実務経験証明書
・財産的基礎を示す財務諸表・残高証明書
機械器具設置工事業では、工事内容が正確に伝わる書類を用意することが特に重要です。
2️⃣ 申請書類の作成
・新規・業種追加・般特新規に応じて作成
・法人・個人で差はあるが、新規申請では約20種類前後
3️⃣ 行政庁窓口への申請
知事許可:申請手数料9万円(更新5万円)
大臣許可:登録免許税15万円(更新5万円)
審査期間:約30日(大阪府の場合)
機械器具設置工事業の許可を取得するメリット
機械器具設置工事業の建設業許可を取得することで、次のようなメリットがあります。
・元請業者・メーカー・金融機関からの対外的信用力の向上
・大型設備工事・高額案件への参入が可能
・公共工事の入札参加(※別途、経営事項審査が必要)
・継続的・安定的な受注体制の構築
特に機械器具設置工事業では、安全管理能力・施工管理能力が重視される傾向が強く、許可を有していること自体が「施工体制の証明」として評価されます。
最後に
機械器具設置工事業は工事内容の判断が難しく、専任技術者要件のハードルも高い業種です。
しかし、実務経験や資格、証明資料を正しく整理すれば、許可取得は十分に可能です。
・「自社の工事が機械器具設置に該当するのか」
・「実務経験として認められるのか」
といった点で不安がある場合は、早めに専門家へ相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。
![]() | この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ) アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。 知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP |
当事務所では大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理を承っております。
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