【建設業許可】更新を忘れると失効?期限・必要書類・間に合わない場合の対処法
- Ryuji Hemmi

- 3月3日
- 読了時間: 10分

建設業許可の更新期限が迫っていませんか。
更新を忘れると、許可は有効期間満了と同時に失効し、原則として救済措置はありません。失効した場合は新規申請として取り直す必要があります。
更新手続きは単なる書類提出ではなく、許可要件を改めて審査される重要な手続きです。決算変更届や変更届の提出漏れがあると、申請を受け付けてもらえないこともあります。
本記事では、更新期限の考え方、事前に確認すべきポイント、必要書類、間に合わない場合の対応まで整理します。更新直前になって慌てないために、ぜひ最後までご確認ください。


▼目次
(1)許可の有効期間は5年
(1)申請書類・添付書類
(2)許可要件に関する確認書類
5.最後に
更新期限を過ぎるとどうなる?許可失効の扱い
建設業許可は有効期間満了日を1日でも過ぎると失効します。更新手続きをしていなければ、自動的に許可が切れるという扱いです。
有効期間内に申請をしていれば、許可通知書が発行されていなくても従前の許可の効力は維持されます。
しかし、有効期間満了日までに申請をしていなければ救済措置はありません。失効した場合は、新規申請としてあらためて許可を取得する必要があります。
当然ながら手数料も再度発生し、提出書類も新規申請と同等になります。
また、公共工事の入札参加資格や経営事項審査にも影響が出る可能性があります。更新期限は絶対に過ぎないよう管理することが重要です。
更新期限はいつ?
許可の有効期限がいつで、いつからいつまでの間に更新手続きをしなければならないのか。
許可の有効期間と更新手続きの期限は、許可通知書に記載されています。
まずは基本的なことを押さえておきましょう。
◎許可の有効期間は5年
建設業許可の有効期間は、大臣許可・知事許可、一般建設業許可・特定建設業許可の区別に関係なく5年です。
許可取得日の5年後の前日まで有効です。
【例外】個人から法人成りで許可の承継認可を受けた場合は、承継日を含めて承継日の翌日から5年。有効期間は5年と1日になります。
承継認可について知りたい方は、以下リンク記事もあわせてご確認ください。
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◎更新手続きの期限は有効期間満了の30日前
建設業許可の更新手続きは、有効期間が満了する日の30日前までに行わなければなりません。
申請から許可が下りるまで30日かかる(標準処理期間)ので、その分を考慮しての期限設定となっています。
更新の手続き自体は、有効期間満了日の3ヵ月前からできるので余裕を持って早めに行った方が良いでしょう。
万一、有効期間満了の日の30日前までに申請できなかった場合はどうなるのか。
行政庁への事前相談は必要ですが、有効期間満了の日を過ぎていない限り申請を受け付けてもらうことはできます。
しかし、新しい許可通知書が間に合いません。
許可が下りていなくても、暫定的に従前の許可の効力を認めてもらえますが、取引先等に求められた時に許可通知書を出せないことになってしまいます。
必ず有効期間満了の日の30日前までに申請しなければ受け付けてもらえないケースもあります。
般特新規や業種追加の申請もあわせた「許可の一本化(許可の有効期間の調整)」です。
✔あわせてチェック 建設業許可の更新・業種追加の際は「許可の一本化」がオススメ! |
更新申請前に必ず確認すべきポイント
更新手続きで最も多いトラブルは、「要件を満たしていない状態に気づいていなかった」というケースです。
申請書を作成する前に、次の7項目は必ず確認しましょう。
□ 経営業務の管理責任者は常勤性を満たしているか
経営経験が後から不足することは通常ありません。更新時に問題になるのは「常勤性」です。他社の役員就任や遠方転居などがある場合は注意が必要です。
▽ よくあるトラブル
・他社の常勤役員に就任している
・他社でも社会保険に加入している
・遠方へ転居している
・役員報酬の月額は10万円に満たない
このような状態は、更新どころか処分・許可取消の対象になり得ます。
✔あわせてチェック 経営業務の管理責任者は経営経験が必要!必要書類・申請のポイントを徹底解説! |
□ 専任技術者は在籍し、常勤性を満たしているか
専任技術者が退職している、あるいは常勤性を欠いている場合、更新はできません。
▽ よくあるトラブル
・専任技術者である従業員がすでに退職している
・遠方へ転居している
・給与月額が10万円に満たない
このような状態は、許可要件を欠いていた状態と判断されます。更新どころか、処分・許可取消の対象になり得ます。
✔あわせてチェック 【建設業許可】専任技術者になれる人の条件(資格・実務経験)を解説 |
□ 特定建設業の場合、財産的基礎を満たしているか
特定建設業許可を受けている場合は、直前決算において一定の財務基準を満たしている必要があります。
▽ 更新時に確認される主な基準
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金が2,000万円以上であること
・自己資本が4,000万円以上であること
いずれかを満たしていない場合、更新は認められません。
特定許可の場合は、決算内容を事前に必ず確認しておく必要があります。
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□ 欠格要件に該当していないか
役員や株主が欠格要件に該当している場合、更新はできません。
▽ 見落としやすいポイント
道路交通法違反による罰金は原則該当しませんが、暴行・傷害等で罰金刑を受けた場合は該当する可能性があります。
禁錮刑や懲役刑の場合は、執行猶予中であっても欠格要件に該当します。
更新直前に発覚するケースもあるため、役員の状況は事前確認が重要です。
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□ 決算変更届を5期分、漏れなく提出しているか
決算終了後4か月以内に提出すべき決算変更届。1期でも未提出があると、更新申請は受理されません。
▽ 実務上の現実
「5年分まとめて作成することになり、膨大な作業になった」というケースは珍しくありません。
更新直前になって慌てないためにも、毎年の提出が前提です。
なお、本来は毎年提出することが義務付けられていることをお忘れなく。
1期でも提出が漏れていること自体、監督処分の対象ですので注意しましょう。
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□ 登記簿と実態にズレはないか
登記簿謄本の記載事項と現状が一致していない場合、更新申請は受理されません。
▽ 特に注意すべき点
・役員の重任登記漏れ
・本店移転後の未登記
・事業目的の未変更
なお、登記は会社法上の義務であり、放置すると過料の対象になります。
□ 各種変更届の提出漏れはないか
経営業務管理責任者の変更、専任技術者の変更、役員変更、資本金変更、営業所移転など、建設業法上の届出が必要な事項は多数あります。
▽ よくあるパターン
登記だけ完了し、建設業法上の変更届を提出していなかったケース。更新時に発覚し、さかのぼって変更届を提出することになります。
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建設業許可の更新手続きに必要な書類
基本的には新規申請の時と比べて準備する書類は少なくて済みます。
申請書類・添付書類と許可要件に関する確認書類をそれぞれ分けて把握しておきましょう。
◎申請書類・添付書類
・建設業許可申請書[様式第1号]
・役員等の一覧表[様式第1号別紙1]
・営業所一覧表(更新)[様式第1号別紙2(1)]
・営業所技術者等一覧表[様式第1号別紙4]
・誓約書[様式第6号]
・常勤役員等証明書[様式第7号]
・常勤役員等略歴書[様式第7号別紙]
・健康保険等の加入状況[様式第7号の3]
・許可申請者の住所、生年月日等に調書[様式第12号]
・商業登記簿謄本 ※変更なければ不要
・定款 ※変更なければ不要
・株主(出資者)調書[様式第14号] ※変更なければ不要
・営業の沿革[様式第20号]
・所属建設業団体[様式第20号の2] ※変更なければ不要
・主要取引金融機関名[様式第20号の3] ※変更なければ不要
◎許可要件に関する確認書類
●常勤役員等(経営業務管理責任者)
・前回申請の副本「常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書」
・常勤性の確認書類(標準報酬決定通知書、住民税特別徴収税額通知書など)
●専任技術者
・常勤性の確認書類(標準報酬決定通知書、住民税特別徴収税額通知書など)
●財産的基礎
・(特定建設業許可のみ)確定申告書類・決算報告書+建設業法財務諸表
●誠実性、欠格要件
・身分証明書(本籍地の役所で取得)※発行から3カ月以内
・登記されていないことの証明書(法務局で取得)※発行から3カ月以内
●社会保険加入状況
・標準報酬決定通知書、保険納入告知額・領収済通知書など
・労働保険概算確定保険料申告書+領収済通知書、労働保険料納付証明書など
建設業許可の更新に関してよくある質問
建設業許可の更新について頻繁にいただく質問をピックアップしました。

◎有効期間中に工事実績が全くなかった場合、更新はできないのでしょうか?
工事実績がなかったとしても更新することは可能です。
毎年の決算変更届で「工事実績なし」の工事経歴書を提出していることが前提になります。
持っている資格に対応する許可業種を取れるだけ取った場合によくあることです。
◎更新手続きを忘れて許可を失効してしまった場合、救済措置はありますか?
有効期限が切れて許可を失効してしまった場合は、残念ながらどうすることもできません。
あらためて新規申請で許可を取りなおす必要があります。
当然、手数料もかかりますし、必要書類を揃えるのも大変です。
最後に
建設業許可の更新は、単なる書類提出手続きではありません。
日頃の変更届や決算変更届の提出状況、許可要件の維持状況がそのまま結果に反映されます。
更新直前になってから
・経営業務の管理責任者や専任技術者が常勤性を欠いている
・決算変更届が未提出だった
・役員変更届を出していなかった
といったケースは少なくありません。
許可を維持し続けるためには、継続的な管理が不可欠です。
毎年の決算変更届や随時発生する変更届を確実に処理し、更新時に慌てない体制を整えておくことが重要です。
![]() | この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ) アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。 知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP |
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