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建設業許可「消防施設工事業」完全ガイド|工事内容・許可要件・申請手続を実務解説

  • 執筆者の写真: Ryuji Hemmi
    Ryuji Hemmi
  • 1月17日
  • 読了時間: 6分

建設業許可「消防施設工事業」完全ガイド|工事内容・許可要件・申請手続を実務解説

消防施設工事業は、建物に設置される消防用設備等を施工・改修することを目的とした専門工事業種です。


消防法と密接に関わる業種であり、高い専門性と資格要件が求められることから、建設業許可を取得している業者は全業種の中でも非常に少ないのが特徴です。


消防施設工事は、火災報知設備や消火設備、避難設備など、人命や財産を守るために法令上設置が義務付けられている設備を対象とするため、需要がなくなることはありません。


本記事では、消防施設工事業の位置づけ/どのような工事が消防施設工事に該当するのか/許可取得の要件と手続きについて、行政書士が実務目線で解説します。


💡この記事のポイント

●消防施設工事業は消防用設備等を設置・改修する専門工事業種

●電気工事や管工事は付帯作業として含まれる

●業種判断に迷うことは実務上ほとんどない

●500万円以上の消防施設工事には建設業許可が必要

●専任技術者は消防設備士の資格が必須

●許可取得により安定した受注が期待できる



建設業許可の問合せ先


▼目次




消防施設工事業の位置づけ


消防施設工事業とは、火災警報設備、消火設備、避難設備その他の消防用設備等を設置し、又は工作物に取り付ける工事を対象とする建設業の業種です。


消防施設工事の特徴は、単に設備を取り付ける工事ではなく、適法に消防・防災機能を備えさせることを目的とする点にあります。そのため、消防の検査をクリアしてはじめて、工事として評価されます。


また、消防施設工事業は電気工事業や管工事業と工事内容が重なりやすく、複合的な施工を求められるケースが多くなります。




 消防施設工事業に該当する工事とは


建設業に従事していれば、消防施設工事業に該当する工事は比較的判別しやすいでしょう。


具体的には、以下のような工事があげられます。

・屋内消火栓設備の設置工事

・スプリンクラー設備の設置工事

・火災報知設備の設置工事

・排煙設備の設置工事

・金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋等の設置工事


これらの工事では、電気工事や配管工事が含まれることがありますが、あくまで消防用設備等を完成させるための付帯工事として行われるものです。


金額の大小に関わらず、主目的である消防施設工事を差し置いて、電気工事や配管工事が主となることはありません。



消防施設工事業で建設業許可が必要となるケース


消防施設工事業で建設業許可が必要となるのは、1件の請負金額が500万円以上(税込)となる消防施設工事を請け負う場合です。


この請負金額には、消防設備本体の費用、材料費・運送費等も含まれます。契約書や請求書を分割していても、実態として1つの工事であれば、合算して判断されます。


なお、消防施設工事は建設業許可が不要な工事であっても、施工(電源、配管等の部分を除く)は消防設備士でなければ行ってはならないと消防法および消防法施行令により定められています。


この点、注意が必要です。




消防施設工事業 許可取得の6つの要件


消防施設工事業の建設業許可を取得するためには、次の6つの要件をすべて満たす必要があります。


●経営業務の管理責任者…建設業での経営経験5年以上が基本。法人なら役員、個人なら本人。


●専任技術者…国家資格(消防設備士など)


●財産的基礎…自己資本500万円以上、または500万円以上の預金残高証明。


●誠実性・欠格要件…虚偽申請や行政処分歴、暴力団関係等がないこと。


●営業所…実体を備えた事務所があること(机・電話・商号掲示など)。


●社会保険等…法律上加入義務のある保険に加入していること(社会保険・労働保険)


この中でも、消防施設工事業で特に重要なのが「専任技術者」要件です。



専任技術者の資格要件


消防施設工事業の専任技術者は、国家資格の保有が必須となる点が大きな特徴です。


【主な国家資格】

・甲種 消防設備士

・乙種 消防設備士

※ 乙種消防設備士は、点検・整備までが業務範囲であり、工事を行うことができない点に注意が必要です。


他にも、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士いずれかの資格と消防施設工事に関する実務経験(1級であれば3年、2級であれば5年)により、一般建設業に限り、専任技術者となる方法もあります。


また、特定建設業許可を取得する場合には、上記資格に加えて、指導監督的実務経験(2年以上)が必要となります。資格のみで特定建設業許可を取得することはできません。


【実務経験】

消防施設工事業では、他業種のように「実務経験10年以上で専任技術者になる」という方法は原則として認められていません。



許可申請の流れと提出書類


消防施設工事業の許可申請は、次の流れで進みます。


1️⃣ 証明書類の準備

・経営業務の管理責任者の経営経験を証明する書類

・専任技術者の資格証明書 

※資格によっては実務経験証明書も必要

・財産的基礎を示す財務諸表・残高証明書


2️⃣ 申請書類の作成

・新規・業種追加・般特新規に応じて作成

・法人・個人で差はあるが、新規申請では約20種類前後


3️⃣ 行政庁窓口への申請

知事許可:申請手数料9万円(更新5万円)

大臣許可:登録免許税15万円(更新5万円)

審査期間:約30日(大阪府の場合)



消防施設工事業の許可を取得するメリット


消防施設工事業の建設業許可を取得することで、次のようなメリットがあります。


・元請・取引先・金融機関からの信用力向上

・公共工事の入札参加(※別途、経営事項審査が必要)

・継続的で安定した受注機会の確保


また、消防施設工事は、法令により設置が義務付けられている設備を対象とするため、景気変動の影響を受けにくい業種です。



最後に


消防施設工事業は、専門性と資格要件が高い一方で、需要が安定している業種です。


しかし、許可要件を満たしているつもりでも、証明書類の不足や資格区分の誤解により、許可取得を断念するケースも少なくありません。


自社の工事内容や体制で消防施設工事業の建設業許可が取得できるのか不安な場合は、早めに専門家へ相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。



この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP

当事務所では大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理を承っております。


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