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経営事項審査(経審)とは?点数の仕組みと申請・入札参加の流れ

執筆者の写真: Ryuji Hemmi
Ryuji Hemmi
4月11日
読了時間: 10分

更新日:10月18日

経営事項審査の初級ガイド

経営事項審査(経審)は、公共工事の入札に参加するために必要な審査です。


ただし、経営状況分析や決算変更届との関係、点数の仕組み、入札参加までの流れがわかりにくく、全体像をつかみにくい制度でもあります。


この記事では、初めて経審を受ける方に向けて、全体の流れ、点数の仕組み、実務で押さえたいポイントをわかりやすく解説します。

💡この記事のポイント

●経審は公共工事の入札参加に必要な審査

●基本の流れは「経営状況分析→決算変更届→経審→入札参加資格申請」

●総合評定値(P点)が入札参加やランク分けの基礎になる

●点数はX1・X2・Y・Z・Wの5項目で決まる

●全体像を理解すると、スケジュール管理・年度更新がスムーズ



目次


経審料金案内

入札参加資格審査代行サービス


  経営事項審査(経審)とは?


経審は公共工事を元請として直接請け負おうとする建設業者に義務付けられている審査です。制度上の対象は、原則として請負代金額500万円以上、建築一式工事では1,500万円以上の工事です。


これより小さい工事についても、入札参加の条件は発注機関の案内で確認してください。


当然ながら建設業許可を取得していない業者は経審を受けることができません。


総合評定値(P点)は入札参加における重要な資料

総合評定値は入札参加における重要な資料

経審で業種ごとに「総合評定値(P点)」が算出され、入札参加資格審査では、発注者によって個別の評価点も加味したランク分けが行われます。


目標とする工事に必要な点数は、発注機関や業種・等級によって異なります。個別工事の公告に定められた参加条件も確認します。




  経営事項審査(経審)から入札参加までの全体の流れ


経審の大まかな流れは以下のようになります。


①経営状況分析

登録分析機関に申請し、決算内容等から経営状況評点(Y)が算出されます。


総合評定値(P点)の計算に必要な評点です。


②決算変更届

大阪府では、提出すべき決算変更届や変更届が済んでいなければ、経審の申請は受け付けられません。


実務上、経審と同時に届出するケースが多いです。


③経営事項審査

総合評定値(P点)が算出されます。


④入札参加資格審査

各自治体等へ経審の結果をもとに資格申請を行い、審査を経て入札参加資格者名簿に登載されます。


⑤入札参加

個別工事ごとの入札公告に基づいて応札します。


経営事項審査の位置付け

経審は単なる「点数付け」ではなく、入札制度全体のスタート地点です。


また、経審を一度受ければ自動的に入札に参加できるわけではなく、各自治体への資格申請という次のステップが必要になります。


入札制度の中での位置づけを理解するとともに経審の具体的な申請スケジュールの確認も必要です。一般的な申請スケジュールは下記のとおりです。


経審申請スケジュール
6月末決算の会社の例です。図中の年月・受審月・結果通知月は、日程を説明するための一例です。

経審の有効期間は、審査基準日となる決算日から1年7か月です。有効な結果通知書が途切れないよう毎年受審します。


大阪府ではJCIPによる電子申請も利用できます。入札参加資格の受付時期は発注機関ごとに異なるため、決算期から経審の結果通知、資格登録までを見込んで日程を組みます。




  総合評定値(P点)の仕組みと5つの評価項目


総合評定値(P点)がどのように決定されるのか。その仕組みを理解することも重要です。


点数の計算はかなり複雑な部分もあるので、まずは大枠で捉えるようにしましょう。


計算式は以下のとおりです。


総合評定値(P点)=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.20+Z×0.25+W×0.15


5つの評価項目それぞれを点数化し、係数をかけて足し合わせたものが総合評定値(P点)です。


X1(年間平均完成工事高)

業種別の完成工事高についての評価項目です。


建設業界の売上特性を鑑み、2年平均の実績か3年平均の実績かを選択することができ、所定の評点算出テーブルに実績をあてはめて評点を求めます。


完成工事高は規模によるところが大きいため、大きな会社の方が有利です。


X2(自己資本額・平均利益額)

自己資本額と営業利益額についての評価項目です。


自己資本額は当期の実績か2期平均かを選択することができ、営業利益額は2期平均となります(営業利益額には減価償却実施額も加算して計算)。


それぞれ所定の評点算出テーブルに実績をあてはめて評点を求めます。


自己資本額も営業利益額も規模によるところが大きいため、大きな会社の方が有利です。


Z(技術職員数・元請完成工事高)

業種別の有資格技術職員数と元請完成工事高についての評価項目です。


元請完成工事高は2年平均か3年平均になりますが、X1で選択した通りになります。


それぞれ所定の評点算出テーブルに数値・実績をあてはめて評点を求めます。


技術職員の資格・人数と元請実績の両面から評価されます。



Y(経営状況)

経営状況・財務状況についての評価項目です。


「純支払利息比率」、「負債回転期間」、「総資本売上総利益率」、「売上高経常利益率」、「自己資本対固定資産比率」、「自己資本比率」、「営業キャッシュフロー」、「利益剰余金」の8つの指標から計算されます。


計算式はかなり複雑なので完ぺきに覚えている人は、ほとんどいないかもしれません。


別記事で詳しく解説しています。



「営業キャッシュフロー」、「利益剰余金」のように規模に影響される項目もありますが、他の項目は小さな会社でも十分に点数を取れます。


Y(経営状況)は量よりも質を評価する側面が強い評価項目です。


W(社会性等)

社会的な責任をどの程度果たしているかを評価する項目です。


建退共への加入、退職金制度、法定外労災、防災協定締結の有無など、評価対象となる事項に取り組んでいるか否かが見られます。


それぞれ所定の評点算出テーブルにあてはめて評点を求めます。


W(社会性等)は会社の規模に関係なく、点数を取ることができる評価項目です。


2026年7月改正では、自主宣言制度の評価追加、CCUS就業履歴の評価配分の見直し、対象建設機械の追加がありました。雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入有無は、Wの個別評価項目から削除されています。


社会保険の加入義務がなくなったわけではありません。申請内容は現行の手引きで確認します。


経営事項審査では、各評価項目の点数をどのように積み上げるかによって、最終的な総合評定値(P点)が大きく変わります。


経審の点数をどう設計し、無理なく上げていくかについては、以下の記事で全体像を整理しています。




  経営事項審査(経審)を受けるときのチェックポイント


特に注意すべきポイントをピックアップしています。


決算変更届の財務諸表は原則として税抜表記で作成する

経審を受ける場合、決算変更届の財務諸表は原則として税抜で作成します。免税事業者であった期間は原則として税込で作成します。


中でも工事経歴書は記載ルールも決められているので注意が必要です。



「経営状況分析→決算変更届→経審」の順で進める

決算変更届と経営状況分析の提出順序は固定されていませんが、当事務所では経営状況分析から行うようにしています。


決算変更届から先に行うと経営状況分析で財務諸表の補正を受けた場合に決算変更届の訂正が必要になってしまうからです。


完成工事高や消費税納税額の整合性が取れているか確認する

消費税確定申告書の課税標準額と、決算書の完成工事高


課税標準額が完成工事高を下回る場合は、その理由と確認資料が必要です。


決算書・決算変更届・経審申請書[様式25の14 別紙1]の完成工事高


完成工事高の総額と業種ごとの内訳を照合します。完成工事高の積み上げをする場合は、積み上げ前後の対応も確認します。


消費税確定申告書の消費税・地方消費税の合計と、納税証明書の「納税すべき額」


金額が一致しているか、確認が必要です。


大阪府では、こうした数字の整合性を確認できるまでは受付できない取扱いです。

数字が異なる理由を確認し、理由の説明書や確認資料をそろえます。内容によっては修正申告が必要なこともあります。


目標とする工事から、取り組む項目を考える

毎年経審を受けている会社からご相談を受けた際も、まずは請けたい工事の規模を伺います。必要なP点の目安と現在の点数との差を共有し、次の経審までに現実的に取り組めることを洗い出します。


費用や取り組みの難しさから優先順位を付けて提案し、その後も進捗を確認します。実際に、こうした取り組みを経て、次の期に目標へ近づいた会社もあります。


点数のためだけで終わらず、会社の内部強化につながる項目を優先することも意識しています。



  最後に


経営事項審査(経審)は公共工事の入札参加に必要な審査であり、経営状況分析申請、決算変更届、経審申請、入札参加資格申請という流れで進みます。


また、総合評定値(P点)は入札参加や格付けに影響するため、制度の全体像を理解しておくことが大切です。


初めて経審を受ける場合は、まず流れと点数の仕組みを押さえたうえで、必要書類や申請手順を具体的に確認していきましょう。


大阪府の申請方法や書類の準備手順は以下の記事で詳しく解説しています。



経審はあくまでも公共工事を請け負うための資質審査です。いくら点数が高くても、工事を落札し、計画どおりに粗利を確保できなければ、目指す成果にはつながりません。


初めての会社からは、業績規模や粗利をどこまで把握されているか、どの規模の公共工事を想定しているかを伺います。従業員や協力会社、積算の体制、民間工事での元請の割合も確認します。


下請工事を中心にしてきた会社が、いきなり元請として積算・入札・施工まで行うには相応の準備が必要です。会社の状況を踏まえ、何から取り組むかを整理し、経審から入札参加資格登録までの流れをご説明します。


どの規模の工事で、どの程度の粗利を見込み、会社の業績をどうしていきたいのか。その目標を踏まえ、点数の上乗せが必要であれば取り組む項目を考えます。




この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から100億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP


当事務所では、大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理、その他経営事項審査や入札参加資格申請までサポート全般を承っております。


大阪市鶴見区・城東区・都島区・旭区を中心に大阪府全域、奈良県、兵庫県、和歌山県は標準対応エリアです。


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