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経営事項審査(経審)とは?|はじめての方向けに全体の流れ・点数の仕組みを解説

  • 執筆者の写真: Ryuji Hemmi
    Ryuji Hemmi
  • 4月11日
  • 読了時間: 8分

経営事項審査の初級ガイド

経営事項審査(経審)は、公共工事の入札に参加するために必要な審査です。


ただし、経営状況分析や決算変更届との関係、点数の仕組み、入札参加までの流れがわかりにくく、全体像をつかみにくい制度でもあります。


この記事では、初めて経審を受ける方に向けて、全体の流れ、点数の仕組み、実務で押さえたいポイントをわかりやすく解説します。



💡この記事のポイント 経審は公共工事の入札参加に必要な審査

基本の流れは「経営状況分析→決算変更届→経審→入札参加資格申請」

総合評定値(P点)が入札参加やランク分けの基礎になる

点数はX1・X2・Y・Z・Wの5項目で決まる

全体像を理解すると、スケジュール管理・年度更新がスムーズ



▼目次





経審料金案内


入札参加資格審査代行サービス



経営事項審査(経審)とは?


経審は公共入札(元請・500万円以上の工事)に参加しようとする建設業者に義務付けられている審査です。


当然ながら建設業許可を取得していない業者は経審を受けることができません。


建設業法第二十七条の二十三(経営事項審査)

設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

建設業法より抜粋


◎経審を受けている業者数は30%未満

建設業許可を取得している業者数は全国で483,700


その中で経営事項審査を受けている業者数は132,538となっています(一般社団法人日本建設業連合会調べ)。


割合としては27.4%で、スタートラインに立つだけでかなり絞り込まれている印象です。


経審受審業者は30%未満

◎総合評定値(P点)は入札参加における重要な資料

経審で業種ごとに「総合評定値(P点)」が算出され、入札参加資格審査で発注者個別の評価点を加味したランク分けが行われます。


総合評定値は入札参加における重要な資料



経営事項審査(経審)から入札参加までの全体の流れ


経審の大まかな流れは以下のようになります。


①経営状況分析

登録分析機関に申請し、決算内容等から経営状況評点(Y)が算出されます。

総合評定値(P点)の計算に必要な評点です。


②決算変更届

決算変更届の届出が済んでいなければ、経審の申請は受け付けられません。

実務上、経審と同時に届出するケースが多いです。


③経営事項審査

総合評定値(P点)が算出されます。


④入札参加資格審査

各自治体に経審の結果を添付して申請すると入札参加資格者名簿に登載されます。


⑤入札参加

個別工事ごとの入札公告に基づいて応札します。


経営事項審査の位置付け

第二十七条の二十四(経営状況分析) 前条第二項第一号に掲げる事項の分析(以下「経営状況分析」という。)については、第二十七条の三十一の規定及び第二十七条の三十二において準用する第二十六条の七の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録経営状況分析機関」という。)が行うものとする。 建設業法より抜粋


経審は単なる「点数付け」ではなく、入札制度全体のスタート地点です。


また、経審を一度受ければ自動的に入札に参加できるわけではなく、各自治体への資格申請という次のステップが必要になります。


入札制度の中での位置づけを理解するとともに経審の具体的な申請スケジュールの確認も必要です。一般的な申請スケジュールは下記のとおりです。


経審申請スケジュール


総合評定値(P点)の仕組みと5つの評価項目


総合評定値(P点)がどのように決定されるのか。その仕組みを理解することも重要です。


点数の計算はかなり複雑な部分もあるので、まずは大枠で捉えるようにしましょう。


計算式は以下のとおりです。


総合評定値(P点)=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.20+Z×0.25+W×0.15


5つの評価項目それぞれを点数化し、係数をかけて足し合わせたものが総合評定値(P点)です。


平均が700点程度になるように制度設計されています。


X1(年間平均完成工事高)397~2,309点

業種別の完成工事高についての評価項目です。


建設業界の売上特性を鑑み、2年平均の実績か3年平均の実績かを選択することができ、所定の評点算出テーブルに実績をあてはめて評点を求めます。


完成工事高は規模によるところが大きいため、大きな会社の方が有利です。


X2(自己資本額・平均利益額)454~2,280点

自己資本額と営業利益額についての評価項目です。


自己資本額は当期の実績か2期平均かを選択することができ、営業利益額は2期平均となります(営業利益額には減価償却実施額も加算して計算)。


それぞれ所定の評点算出テーブルに実績をあてはめて評点を求めます。


自己資本額も営業利益額も規模によるところが大きいため、大きな会社の方が有利です。


Z(技術職員数・元請完成工事高)456~2,441点

業種別の有資格技術職員数と元請完成工事高についての評価項目です。


元請完成工事高は2年平均か3年平均になりますが、X1で選択した通りになります。


それぞれ所定の評点算出テーブルに数値・実績をあてはめて評点を求めます。


X1、X2同様、規模によるところが大きいため、大きな会社の方が有利です。


Y(経営状況)0~1,595点

経営状況・財務状況についての評価項目です。


「純支払利息比率」、「負債回転期間」、「総資本売上総利益率」、「売上高経常利益率」、「自己資本対固定資産比率」、「自己資本比率」、「営業キャッシュフロー」、「利益剰余金」の8つの指標から計算されます。


計算式はかなり複雑なので完ぺきに覚えている人は、ほとんどいないかもしれません。


別記事で詳しく解説しています。

「営業キャッシュフロー」、「利益剰余金」のように規模に影響される項目もありますが、他の項目は小さな会社でも十分に点数を取れます。


Y(経営状況)は量よりも質を評価する側面が強い評価項目です。


W(社会性等)▲1,837~2,073点

社会的な責任をどの程度果たしているかを評価する項目です。


社会保険への加入や建退共への加入、防災協定締結の有無など、加点対象となる事項に取り組んでいるか否かが見られます。


それぞれ所定の評点算出テーブルにあてはめて評点を求めます。


W(社会性等)は会社の規模に関係なく、点数を取ることができる評価項目です。


経営事項審査では、各評価項目の点数をどのように積み上げるかによって、最終的な総合評定値(P点)が大きく変わります。


経審の点数をどう設計し、無理なく上げていくかについては、以下の記事で全体像を整理しています。






経営事項審査( 経審)を受けるときのチェックポイント


一度受けた経審は基本的に受け直すことはできないので、ミスのないように各手続きを進めたいところです。


特に注意すべきポイントをピックアップしています。


決算変更届は税抜表記で作成する

経審を受ける場合は決算変更届を必ず税抜で作成しなければなりません。


中でも工事経歴書は記載ルールも決められているので注意が必要です。


「経営状況分析→決算変更届→経審」の順で進める

「決算変更届→経営状況分析→経審」の順で行うことが一般的と思われていますが、実務上は経営状況分析から行う方がスムーズです。


決算変更届から先に行うと経営状況分析で財務諸表の補正を受けた場合に決算変更届の訂正が必要になってしまうからです。


完成工事高や消費税納税額の整合性が取れているか確認する

●消費税確定申告書の課税標準額>決算書の完成工事高

→原則、課税標準額が完成工事高を下回ることはありません。


●決算書完成工事高=決算変更届の完工高=経審申請書[様式25の14 別紙1]の完工高

→完成工事高は決算変更届と経審申請書類でズレることはありません。


●消費税確定申告書(⑨、⑳合計)=消費税納税証明書の「納税すべき額」

→万が一もありえるので、必ずチェックが必要です。


①~③の整合性が取れていなければ、経審の申請を受け付けてもらうことができません。


正当な理由があれば理由書提出で解決する場合もありますが、修正申告が必要なこともありえます。



最後に


経営事項審査(経審)は公共工事の入札参加に必要な審査であり、経営状況分析申請、決算変更届、経審申請、入札参加資格申請という流れで進みます。


また、総合評定値(P点)は入札参加や格付けに影響するため、制度の全体像を理解しておくことが大切です。


初めて経審を受ける場合は、まず流れと点数の仕組みを押さえたうえで、必要書類や申請手順を具体的に確認していきましょう。


大阪府の申請方法や書類の準備手順は以下の記事で詳しく解説しています。



この記事の執筆者 逸見 龍二(へんみ りゅうじ)

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、建設業専門の行政書士事務所を開設。

知事許可・大臣許可ともに特殊案件含め実績多数。経営事項審査も年商数千万円の企業から40億円規模の企業まで幅広く対応。入札参加資格審査申請は全国自治体で申請実績あり。事務所HP

当事務所では、大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理、その他経営事項審査や入札参加資格申請までサポート全般を承っております。


大阪市鶴見区・城東区・都島区・旭区を中心に大阪府全域、奈良県、兵庫県、和歌山県は標準対応エリアです。

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