Ryuji Kanemoto
建設業界で役立つ国家資格【管工事施工管理技士(1級・2級)】
更新日:2022年10月28日

建設業許可を取得するときの重要要件の1つである「専任技術者」、建設業許可取得後に現場配置義務が発生する「監理技術者・主任技術者」は、業種に応じた国家資格等を保有しているか、業種に応じた一定の実務経験がなければ、なることができません。
実務経験は書類が揃わず証明することが困難なケースが起こり得ますが、国家資格等を保有している場合は合格証を提出するだけで簡単に証明できます。(一部、実務経験もあわせて必要な資格があります。)
専任技術者や監理技術者等になり得る国家資格等は、個人のキャリアアップや事業者の組織強化という面においても取得するのが望ましいでしょう。
この記事では「管工事施工管理技士(1級・2級)」の対応業種や受検資格、試験内容について説明しています。ぜひご参考にしていただければと思います。
▼目次
(1)1級管工事施工管理技士
(2)2級管工事施工管理技士
5.最後に
「管工事施工管理技士」資格の概要
配管工事の現場においてダクト工事や水道配管工事、ガス配管工事などの施工管理や品質管理、安全管理を行うことができる資格です。
検定試験は年1回(2級一次検定のみ年2回)、一般財団法人全国建設研修センターによって実施されます。
1級管工事施工管理技士は、特定・一般建設業の専任技術者になることができます。
2級管工事施工管理技士は、一般建設業の専任技術者になることができます。
また、1級の場合、監理技術者・主任技術者として現場配置でき、2級の場合、主任技術者として現場配置できます。
なお、一次検定のみ合格者は施工管理技士補となります。1級管工事施工管理技士補を監理技術者の補佐として配置することで、監理技術者が2つの現場を兼任できるようになります。
「管工事施工管理技士」に対応する業種
管工事業
管工事業は指定7業種に分類されるので、2級管工事施工管理技士の資格保有者が2年以上の指導監督的な実務の経験を持っていたとしても、特定建設業では専任技術者になることはできません。1級管工事施工管理技士に合格しない限り
なれないということです。
水道に関わる工事は、管工事と水道施設工事、土木一式工事それぞれで取り扱う工事区分がわかりにくいので、注意が必要です。以下「建設業許可事務ガイドライン」に記載されている内容です。
“上下水道に関する施設の建設工事における『水道施設工事』、『管工事』及び『土木一式工事』間の区分の考え方は、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』であり、家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、これらの敷地外の例えば公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』である。なお、農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当する。”
(「建設業許可事務ガイドライン」)
〈専任技術者資格一覧〉

◎:特定建設業・一般建設業の専任技術者となれる資格
○:一般建設業の専任技術者となれる資格
建設業法に基づく他の国家資格についてはそれぞれ別の記事にまとめていますので、そちらでご確認ください。
建設機械施工管理技士/土木施工管理技士/建築施工管理技士/電気工事施工管理技士/電気通信工事施工管理技士
「管工事施工管理技士」検定試験の受検資格
2級管工事施工管理技士の一次検定のみ、17歳以上であれば学歴・経験に関係なくだれでも受検することができます。その他は、受検資格として一定の実務経験が必要になります。
◎1級管工事施工管理技士
>指導監督的実務経験が1年以上ある者

>2級管工事施工管理技士合格者で指導監督的実務経験が1年以上ある者

>専任の主任技術者の経験が1年(365日)以上ある者

>職業能力開発促進法第44条による検定職種を1級配管技能検定合格者で指導監督的実務経験が1年以上ある者

◎2級管工事施工管理技士

「管工事施工管理技士」検定試験の内容
●試験内容
1級・2級とも
第一次検定 マークシート方式の学科試験
第二次検定 経験記述等を含む実地試験
●合格率
近年の合格率の推移は以下のようになっています。
1級の一次検定の合格率が年々下がってきていますが、他は比較的高めの合格率となっています。

●試験日程
詳細は以下「JCTC全国建設研修センターHP」にてご確認ください。
最後に
「管工事施工管理技士」は建設業界で役立つ代表的な国家資格の1つです。
管工事業は完成工事高も高く、大きな市場規模を誇る重要な設備工事業種です。
忙しい中での試験対策は大変ですが、管工事に従事されている方は、受験資格(実務経験)を視野に入れながら計画的に取得を目指してみてはいかがでしょうか。
![]() | この記事は行政書士が執筆・監修しています。 アールエム行政書士事務所/代表/金本 龍二(かねもと りゅうじ) 本記事は建設業に特化した事務所の行政書士が執筆・監修しています。 行政書士の詳しいプロフィールはこちら |
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