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執筆者の写真Ryuji Kanemoto

建設業許可を1日でも早く取るための手順を徹底解説!【大阪府知事許可】

更新日:9月24日


建設業許可を1日でも早く取るための手順を徹底解説!

建設業許可なしで請け負うことができる軽微な工事(請負金額500万円未満の工事)であっても、許可のない業者は受注機会が減少傾向にあります。


工事規模に関わらず、下請に建設業許可の取得を求める元請が増えているからです。大手は以前からそのスタンスですが、中小ゼネコン等にも広がってきているのです。


建設キャリアアップシステムの登録を求められることも増えており、建設業許可+建設キャリアアップシステム登録が珍しくない状況になりつつあります。


近年の大阪府のデータを見ても、建設業許可業者が増加傾向にあることがわかります。

39,525者(2021年)→40,042者(2022年)→40,376者(2023年)→41,046者(2024年)


受注機会を逃さないように、より大きな工事を請け負えるように、1日でも早く許可を取得したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。


この記事を読むと、大阪で建設業許可を1日でも早く取得するために何をすべきかが分かります。

ぜひご参考にしていただければと思います。


建設業許可の問合せ先

建設業許可の料金


▼目次



建設業許可の取得を早めるために知っておくべきポイント3つ


許可取得を早めるために押さえておくべきポイントを解説します。


 

■ 標準処理期間30日は短縮できない

■ 申請までの準備期間を短縮する

■ 必要な公的書類をまとめて取得しておく

 

いつまでに建設業許可が必要なのかを明確にして、準備や申請手続き、大阪府の審査にかかる時間を逆算して、いつまでに何をすべきかを把握するようにしましょう。



◎標準処理期間(30日)は短縮できない

申請受付後、国土交通大臣・都道府県知事が許可を行うまでの期間を標準処理期間といいます。


いわゆる審査期間のことです。大阪府では標準処理期間は30日とされています。


土日祝を含む30日ですが、年末年始や大型連休にかかると、その分期間が伸びることになります。


また、申請書類に不備・補正があるとその期間は審査が止まることになります。


標準処理期間はどれだけ急いでも短縮できない、許可取得までに絶対に必要な30日です。

逆に、30日以上かかるようなことがないように注意すべきでしょう。


ちなみに標準処理期間は都道府県によって異なります。


大阪府は30日ですが、他都道府県では45日や60日かかるところもあります。


◎申請までの準備期間を短縮する

建設業許可を1日でも早く取得するためには、標準処理期間を短縮できない以上、確認書類の収集と申請書類の作成を手際よく行って、申請準備の期間を短縮するしかありません。


しかし、急ぐあまりに作成した書類に不備があると標準処理期間が伸びる可能性があるので、正確さも重要です。


極端な例ですが、申請準備を2日で済ませて翌日申請できれば、1ヵ月と3日で許可を取得することが可能ということです。


しかし、実際は申請準備を2日で済ませることは至難の業でしょう。


確認書類の収集が難航し、数週間かかることもざらにあります。


許可取得までトータル1ヵ月半ぐらいを目安にしている行政書士事務所が多い印象です。


◎必要な公的書類をまとめて取得しておく

必要な確認書類の中に公的機関・金融機関が発行する書類があります。


これらの書類を効率よくまとめて取得するようにしましょう。


金融機関の残高証明書以外は1日で揃えることができます。


●履歴事項全部証明書(商業・法人登記簿謄本)

法務局で取得します。事業目的に建築工事や土木工事等が含まれているか確認が必要です。


含まれていなければ、定款変更の上、変更登記しなければなりません。

※発行日から3ヵ月以内のものでなければなりません。


●登記されていないことの証明書

法務局で取得します。役員全員分が必要です。

※発行日から3ヵ月以内のものでなければなりません。


●事業税納税証明書

府税事務所で取得します。

※発行日から3ヵ月以内のものでなければなりません。


●身分証明書

本籍地の市町村役場で取得します。役員全員分が必要です。


本籍地が遠方の場合は、郵送申請が可能ですが、7日~10日かかることがあります。


●金融機関の残高証明書

発行に約1週間かかります。

※証明日から28日以内のものでなければなりません。


谷町4丁目の法務局本局で「履歴事項全部証明書(商業・法人登記簿謄本)」「登記されていないことの証明書」を取得して、すぐ近くにある府税事務所で「事業税納税証明書」を取得すると効率が良いでしょう。



建設業許可申請までの手順と具体的な準備


事前の情報整理(申請区分、業種、要件等)から確認書類の収集、申請書類の作成までをスムーズに進めることで、許可取得までの期間を短縮することができます。


 

■ 申請区分、業種の確認

■ 許可要件の確認

■ 必要な確認書類の収集

■ 必要な申請書類の作成

 

具体的にどのようなことを確認し、どのような書類を収集し、どのような書類を作成しなければならないのかを解説します。


◎申請区分、業種を確認する

営業所をどこに置くかで申請先が異なります。そもそも営業所に該当するかの判断も重要です。


複数の営業所がある会社で、大阪府と他の都道府県にも営業所がある場合は、国土交通大臣の許可が必要になります。


複数の営業所がすべて大阪府内であれば、大阪府知事の許可で問題ありません。


次に特定建設業、一般建設業の区分を確認します。


元請として下請に4,500万円以上の発注・請負契約が想定されるのであれば、特定建設業許可が必要になります。


特定建設業・一般建設業については以下のリンク記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


あとは許可を受ける業種の確認をしなければなりません。


建築一式工事・土木一式工事と専門工事27業種あわせて、全部で29業種あります。


業種については以下のリンク記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


◎許可要件を確認する

以下6つの許可要件を満たしてしているかどうかを確認しなければなりません。


1つでも満たしていなければ、許可を取得することはできません。


①経営業務の管理責任者

建設業での経営経験が5年以上ある人を経営業務の管理責任者(経管)として、法人であれば役員に、個人であればその本人または支配人に置かなければなりません。


経営経験は過去の勤め先等のものを含めることが可能です。


個人事業主として3年の経営経験を経た後、法人設立し、2年以上の経営経験がある場合なども問題ありません。


経営業務の管理責任者について以下のリンク記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


②専任技術者

許可を受けようとする業種に応じた国家資格等を持っている、またはその業種の実務経験が10年以上ある人を営業所ごとに専任の技術者(専技)として配置しなければなりません。


法人の役員、個人事業主はもちろん、従業員等でも認められます。


経営業務の管理責任者(経管)が兼任することも可能です。


専任技術者について以下のリンク記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


③財産的基礎・金銭的信用があること

直前の決算で純資産合計が500万円以上あることが求められます。なければ、500万円以上の預金残高(資金)が必要です。


財産要件に関する以下リンク記事もあわせてご確認ください。


④社会保険等に加入していること

法律上加入義務のある保険に正しく加入していることが求められます。

健康保険・厚生年金保険…法人または従業員5人以上の個人事業主は適用事業所

雇用保険…法人・個人関係なく、1人でも雇用していれば適用事業所

⑤欠格要件に該当していないこと、誠実性があること

法人の役員等すべてと個人その本人、支配人が対象となります。


欠格要件に該当していると絶対に許可を取得することはできません。


申請書に虚偽記載があったり、重要なことを記載しなかったり、禁固以上の刑を受けて5年経過していない等、定められた欠格要件に1つでも該当してはいけません。


請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがある場合も許可されません。


欠格要件、誠実性について別記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


⑥営業所を有していること

建設業の営業を行う事務所を主たる営業所として設けなければなりません。


常時使用する権限や固定電話、事務機器等設備が必要です。


営業所について別記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


◎必要な確認書類を収集する

各許可要件を満たしていることを客観的に証明するための確認書類を収集します。


経営経験や実務経験の証明は、過去の勤め先のものが必要になることも多く、揃えることができずに許可取得を断念してしまうケースもあります。


許可取得を早めるためには、この工程をいかにスムーズに行えるかが重要になってくるでしょう。



①経営業務の管理責任者|建設業での5年以上の経営経験の証明


(個人事業主の場合)

・所得税確定申告書 第1表(5年分以上)

・工事の契約書や請求書、注文書(5年分以上)

上記2つの重なっている期間が5年以上あれば経営経験として証明できます。



(法人役員の場合)

・法人税確定申告書 別表1及び決算書(5年分以上)

・履歴事項全部証明書(経験を証明したい期間、役員として登記されている)

・工事の契約書や請求書、注文書(5年分以上)

上記3つの重なっている期間が5年以上あれば経営経験として証明できます。


※大阪府の場合、工事の契約書や請求書、注文書において、請け負った工事と工事の間が12ヵ月以上空いていなければ連続した経験期間として認められます。都道府県によって判断が異なります。



②専任技術者|許可を受けようとする業種に応じた資格、実務経験の証明


(国家資格等の場合)<以下のいずれか>

・資格を証する書面

・監理技術者資格者証


(実務経験の場合)

・工事の契約書や請求書、注文書(10年分以上)

※大阪府の場合、工事の契約書や請求書、注文書において、請け負った工事と工事の間が12ヵ月以上空いていなければ連続した経験期間として認められます。


※他社での実務経験を証明する場合は、その期間在籍していたことも証明しなければなりません(年金被保険者記録照会回答票など)。



③財産的基礎・金銭的信用の証明 <以下のいずれか>

・貸借対照表(新規設立ではじめの決算を迎えていない場合は「開始貸借対照表」)

・金融機関発行の残高証明書

※申請日前4週間以内のものでなければなりません。


④社会保険等に加入していることの証明

健康保険・厚生年金保険 <以下のいずれか>

・納入告知書/納付書・領収証書

・社会保険料納入確認(申請)書

・健康保険・厚生年金標準報酬決定通知書

雇用保険 <以下のいずれか>

・労働保険概算・確定保険料申告書+領収済通知書

・労働保険料等納入通知書+領収通知書

・雇用保険料納入証明書


⑤欠格要件に該当していないこと、誠実性があることの証明

・登記されていないことの証明書

・身分証明書

上記2つの確認書類の他に、調書、略歴書、誓約書を作成して提出しなければなりません。


調査が入りますので、虚偽の記載等は通用しません。


さらに①~⑤に加えて、常勤役員等(経営業務の管理責任者)と専任技術者の「常勤性の確認」書類が必要です。


常勤性については別記事で詳しく解説しているので、あわせてご 確認ください。


◎必要な申請書類を作成する

許可要件を満たしていることを証明するための確認書類がすべて揃ったら申請書類を作成していきます。


およそ20種類ほど作成する必要があります。はじめて作成する場合は少し手間取るかもしれません。すべて完了したら大阪府咲州庁舎建築振興課の窓口で申請してください。


書類に不備がなく、正式に受理されたら、標準処理期間(審査期間)に入ります。無事に許可が下りたら、許可通知書が発行されます。


申請書類について別記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


 

最後に


新規で建設業許可をスピーディーに取得するには、正しい知識とスムーズな書類収集がポイントとなります。


経営経験や実務経験を証明する際に、大阪府では請け負った工事と工事の期間が12ヵ月以上空いていなければ連続した経験期間として認められる等、ローカルルールまで正確に把握し、無駄のない準備も大切です。


また、過去の勤め先での経営経験と実務経験を証明するときは、書類収集に難航することが多いでしょう。


急ぎで建設業許可を取得しなければならない場合や書類収集、書類作成が不安な場合は、ぜひ専門家に相談することをご検討ください。





この記事の執筆者  金本 龍二(かねもと りゅうじ)|行政書士

アールエム行政書士事務所の代表・行政書士。事業会社で店舗開発に従事。 ディベロッパーや建設業者との契約交渉・工事発注に数多く携わる。その後、行政書士事務所を開設。

建設業専門の事務所として 近畿圏内の知事許可、大臣許可、経営事項審査、 建設キャリアアップシステムをサポート。


 

当事務所では大阪府知事の建設業許可を中心に申請代理を承っております。


大阪市鶴見区・城東区・都島区・旭区を中心に大阪府全域、奈良県、兵庫県、和歌山県は標準対応エリアです。

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